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第159回 イルミネーションとスマホとポートレートの関係今日から始めるデジカメ撮影術(3/3 ページ)

» 2012年12月13日 11時00分 公開
[荻窪圭,ITmedia]
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その場の光を上手に使おう

 ストロボを使うと、“ストロボ使いましたー”という感じの写真になっちゃってどうも好きじゃない、という人もいるだろうし、最近は内蔵フラッシュを持たないミラーレス一眼なんかもあって、手元にストロボがない、ということもあるだろう。

 ということで、その場の光を使う話。

 まずはスマホ。先ほどと同じ場所。つまり周りの光を使おうにもそんな光はどこにもありません、的な場所でどうするか。スマホを使うのである。スマホの画面の光で顔を照らして撮ってみた。彼女が手に持ってるスマホの画面が唯一の照明。

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 ちょっと顔が青白い。実はこの写真、真っ白な無地の画像データをスマホに表示させて撮ってるのだけど、それだとちょっと青白くなっちゃうのだ。オレンジ色の無地の画像も用意してあったので、それを画面に表示して照明にしてみたのがこちら。

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 肌に赤みが差して、夜の雰囲気となりました。

 画面を超明るくできるスマホなら、もうちょっと顔から離してもイケるはず。夜の撮影にスマホ……けっこう何かと便利なのである。普通のケータイでもいいけど、スマホの方が画面がでかいから照明には使いやすいのだ。

 ちょっと場所を変えよう。

 並木イルミネーションのような場所の方がその場の光を使いやすい。黄色いイルミネーションの横でスローシンクロでフラッシュを光らせて撮ったのがこちら。背景の密度をあげてイルミネーション感を出すために、中望遠のレンズを使っております。

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 ストロボを使うと普通の夜景人物写真。では木に近づいて、手前の木に巻き付けられたLEDたちを照明にして撮ってみるのだ。

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 黄色いLEDなので顔も黄色くなっちゃったけど、その場所の雰囲気はすごく出る。

 顔がある程度明るくなるようプラス1の補正で、手持ちなのでISO1600まで感度を上げて撮影。それでも1/15秒。シャッタースピードが遅いと手ブレや被写体ブレしやすいので、手持ちで撮るときは「何枚も撮り(連写でも可)、ブレてた写真はなかったことにする」のが一番いい。

photo こんな風にブレちゃうことも多いのだ

 今度はもう少し木に近づいて、顔をLEDの方に向けてもらった。光源に使っているLEDは写さないようにするけど、銀杏の木であることは分かるようにしたいという、ワガママなな構図で。

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 背景がきれいに丸くぼけてるのがよいですな。背景の光源がきれいに丸くボケてくれるかどうかはレンズ次第なので、そういうレンズを持っていれば使うべし。そうすると夜景撮影は楽しくなる。

 最後はイルミネーションをアートっぽく撮る話で。

 わざとボケさせて光の円を楽しむのだ。まずはきれいにボケる明るい単焦点レンズを用意する。そして一番手前にピントを合わせるか、マニュアルフォーカスにしてほどよくぼけるポイントを探す。

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 よく見ると手前の白いLEDにピントが合ってるのが分かると思う。夜っぽい雰囲気を出すためにマイナスの補正をかけてみたり、逆に都会っぽい雰囲気を出すために明るくしてみたり。工夫次第でいろんな顔を見せてくれるのでけっこう楽しいのだ。

photo −2の補正で夜っぽく
photo 露出補正なしで明るく

 こんな無数のボケた光をまとめて撮れるのはイルミネーションの季節だけなので、ぜひ挑戦を。

【お知らせ】

六本木・東京ミッドタウンではクリスマスイベントとして、約28万個のLED電球を用いた光りと音のエンターテイメントショー「スターライトガーデン 2012」を開催中です。ミッドタウン周囲の木々も鮮やかなイルミネーションで彩られるほか、巨大な雪だるま「ミッドタウン・スノウマン」も来場者を出迎えます。

そのほかにも6メートルのモミの木にフィンランドの伝統工芸細工「ヒンメリ」をあしらったクリスマスツリーなど、見どころ満載のミッドタウン・クリスマス。時間があれば、イルミネーションを楽しむとっておき情報を紹介してくれる、イルミネーションコンジェルジュ(赤い帽子と制服が目印)を探してみてください。イベント開催時間やイルミネーション点灯時間など、詳細は東京ミッドタウン公式サイト< http://www.tokyo-midtown.com/ >をご覧ください。


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