撮像素子には、フルサイズ(約35.8×23.9ミリ)の有効約2020万画素CMOSセンサーを、画像処理エンジンには「DIGIC 5+」をそれぞれ搭載する。実写では、被写体の細部までをくっきりと再現する解像感の高さを確認できた。初期設定のJPEGの画質は、シャープネスがやや強調された見栄え重視の傾向だ。必要に応じてピクチャースタイル機能を利用し、自分好みの画質に調整するといいだろう。
感度は、標準でISO100〜ISO25600に対応。拡張設定によってISO51200やISO102400相当の高感度、ISO50相当の低感度も利用できる。高感度ノイズは目立たないように低減され、ISO1600やISO3200でも十分に実用的だ。
トータルとしては、小さくて取り回しに優れたフルサイズ機として、バランスの取れたカメラだと感じられた。EOS 5D Mark IIIに比べてボディ重量が195グラム軽いことで、より手軽に持ち出そうという気持ちになり、撮影領域はいっそう広がる。
AF測距点や連写などEOS 5D Mark IIIからスペックダウンした部分については、スポーツなどのシビアな撮影シーンでは当然差が生じるが、風景やスナップ撮影を楽しむ範囲では大きな不満は感じない。旧製品「EOS 5D Mark II」に比べても、レリーズ時のレスポンスや使い勝手は上回る。
メニューの操作系については、多機能であるためページ数が多く、詳細設定へのアクセスに手間取るのが気になった。マイメニュー機能によって必要な項目のみを集約できるが、さらにもう一工夫欲しいところだ。
また欲を言えば、EOS 60Dのようなバリアングル式の液晶であればなおよかったと思う。ただ、スマホによるライブビューリモコン機能を使えば、バリアングル式液晶よりもさらに自由なアングルでの撮影が楽しめる。
試用では、大口径の標準ズームのほかにパンケーキタイプの薄型単焦点レンズを使ったが、小さくて軽いレンズではEOS 6Dの小型軽量さが際立ち、フットワーク重視の撮影が楽しめた。発売日の関係もあって今回は試用していないが、キットレンズとしても新発売される小型の標準ズーム「EF24-70mm F4L IS USM」にも期待したい。
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