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第160回 都会の星空と赤道儀の関係(ご一緒に)今日から始めるデジカメ撮影術(3/3 ページ)

» 2013年01月17日 20時13分 公開
[荻窪圭,ITmedia]
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地上を一緒に撮る

 東京の空はイマイチで、と思ったら、地上も一緒に採っちゃう、というのも手。

 ポラリエには「1/2」モードがある。「星景撮影モード」で、ポラリエの回転速度を半分にする昨日。通常の「星追尾モード」は星の動きを追尾するので地上の風景を入れると地上がブレて写る。逆にポラリエを動かさないと星がブレて写る。

 で、回転数を1/2にすれば、広角でシャッタースピードが数10秒程度ならどちらも止まって写るという仕掛け。東京は世田谷区でガスタンクと一緒に夜空を撮ってみた。

photo ガスタンクの北側から南の空を狙ってみた

 シャッタースピードは30秒。ガスタンクの上にオリオン座がなんとか見えてる。人工物と空というのもいい。ガスタンクはライトアップも何もされてないので、こういうとき扱いやすいのだ。

 木を使ってみるのもいい。木の間から見上げるオリオン座という感じで。こちらは通常の「星追尾モード」。木がブレてるけど、まあ、それはそれでいいかなと思って。どうせちょっとの風でブレて写るんだしね。

photo

 他のモードもちょっと解説。星追尾、星景モードに加えて、太陽追尾モードと月追尾モードもある。太陽や月を撮るときに長時間露光は不要だが、たとえば望遠レンズで月を追ってると、月の動きは速いのでしょっちゅう雲台を調整してやらなきゃいけない。月食を撮るときはそれがめんどくさかったもの。

 でも「月追尾モード」にしておけば常に月を追ってくれるので撮りやすいのだ。

photo

 話は戻る。

 東京の空はイマイチで、と思ったら、空がきれいなところに出かけるというのが一番正しい。

 よく晴れた山の上が一番いい。高原とかもいい。標高が高くて人工照明が近くにない場所がいい。今回はそういうところに行けなかったけど(いや、年末年始の帰省の際に撮ってみようと持って行ったのだが、天気が悪かったのだ)、ポラリエならスーツケースのすき間になんとか押し込めるサイズなので(まあ、三脚は必要だけど)、田舎に旅行に行く機会があったら持って行くと楽しい。

 車があればちょっと山の方へ行くだけでかなり違う。

 電車でちょいと夜空を、と思ったら海に行くという手もある。都市圏で一番困るのは地平線近くが明るすぎるということだから、背景を海にしちゃえばいいのだ。試しに行ってみたのが湘南。

 いやあ思ったより地上の光は強烈だった。

photo ISO200 F4 140秒
photo 「StarWalk」で見るとこんな感じ

 中央にオリオン座、右上に木星がいる構図なんだけど、左下に赤くぼーっと光がかぶってる。実はこれ、江の島につながる江の島大橋の照明なのだ。

 カメラをもうちょっと下げてみると、地上って明るいんだなと。

photo オリオン座が江の島大橋の真上にいたので一緒に撮ってみた。星追尾モードなので地上の物体はブレて映ってます

 でも都市部に比べると空はよく見える。

 オリオン座にある大星雲もなんとか撮影。

photo

 まんなかあたりに星雲が見えてるのが分かるはず。

 いやあ、ポラリエはヤバイ(ほめてます)。ただでさえ星空撮影ってハマるとヤバそうなのに、入口として価格も使い勝手も大きさもほどよいのだ。今回のはまあ初挑戦ということで、いずれ、もっと空が澄んだ真っ暗な場所できれいな星空に挑戦してみたいと思っております。

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