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» 2013年01月22日 11時59分 UPDATE

長期試用リポート:「FUJIFILM X-E1」第3回 「X-E1」のレンズ補正機能を確認する

カメラやレンズの特徴、長所/短所を理解することで、機材を使いこなすヒントになる。今回はX-E1とXF交換レンズを組み合わせたときの特徴を理解してみたいと思う。

[mi2_303,ITmedia]

 さて、FUJIFILM X-E1の長期試用リポート第3回である。JPEG撮って出しでOKのイメージが強かったX-E1だったが、前回の試行錯誤では、RAW撮影することでX-Trans CMOSのポテンシャルを一層引き出せることが分かった。特に、発色に関して抱いていた疑問について自分なりの対処方法が見つかったことで、X-E1に対する愛着がより一層わいてきたように思う。

 今回は標準ズームレンズ「XF18-55mmF2.8-4 R LM OIS」に加えて、別売のXFレンズ「XF18mmF2 R」「XF35mmF1.4 R」「XF60mmF2.4 R Macro」の4本について、それぞれの絞り解放時の描写、そしてカメラ内での補正処理について確認してみたい。

 最近のレンズ交換式デジタルカメラはレンズごとのデータをカメラ内に持ち、周辺光量や歪曲(わいきょく)、色収差などを補正することが一般的になりつつある。これらの補正が入ったJPEGデータとは違い、RAWデータの場合はイメージセンサーからの情報を記録し現像時にレンズ補正などの処理を後付けで行うため、RAWデータを用いることでレンズに対する各種補正の前と後の違いを比較できる。

XF18mmF2 R

 装着時35ミリ換算27ミリ相当となる広角単焦点レンズ「XF18mmF2 R」は、そのコンパクトさもさることながらF2という明るさも魅力的。解放時は流石に周辺が甘くなってしまうが、中央部分は素材の凹凸や質感が分かるほど、しっかりとした解像感がある。

 RAWデータをLightroomでストレート現像したデータを見ると樽型の歪曲と色収差、周辺減光が若干ながらあることが分かる。とは言え、その影響は微細。レンズの味として表現するほどでもなく、上手にまとめられていると言える。

photophoto XF18mmF2 Rの撮って出しJPEGデータ(写真=左)、RAWをLightroomでストレート現像したデータ(写真=右)
photo F2.8 1/30秒 ISO800 露出補正−2 レンズ:XF18mmF2 R
photo F4.5 1/125秒 ISO200 露出補正−0.3 レンズ:XF18mmF2 R

XF35mmF1.4 R

 35ミリ換算53ミリ相当と、標準レンズとも言えるXF35mmF1.4 Rは、自然なパースペクティブとF1.4という明るさを生かした撮影が楽しめるレンズだ。周辺は若干甘いが、中央部分を見ると開放でも甘くならない、最新設計のレンズらしい描写をしている。

 RAWからLightroomでストレート現像した画像を見ると、JPEGと色味が違うのは現像の違いなのでそこは無視してするとして、周辺や細部に目をやっても補正の形跡をほとんど感じられない。素性の良いレンズだ。

photophoto XF35mmF1.4 RのJPEGデータ(写真=左)、RAWをLightroomでストレート現像したデータ(写真=右)
photo F1.4 1/150秒 ISO200 レンズ:XF35mmF1.4 R
photo F1.4 1/45秒 ISO200 レンズ:XF35mmF1.4 R

■XF60mmF2.4 R Macro

 撮影倍率0.5倍のマクロ機能を持つXF60mmF2.4 R Macroは、点光源などの表現が楽しめるF2.4という明るさの中望遠レンズだ。画質は開放でも周辺までしっかりと解像しており、よく言う「開放から使っていけるレンズ」であることがわかる。RAWからの画像を見ると、XF35mmF1.4 R同様にJPEGデータとの違いがほとんどない、こちらも素性の良いレンズである。

photophoto XF60mmF2.4 R MacroのJPEGデータ(写真=左)、RAWをLightroomでストレート現像したデータ(写真=右)
photo F2.8 1/160秒 ISO200 レンズ:XF60mmF2.4 R Macro
photo F2.8 1/160秒 ISO200 レンズ:XF60mmF2.4 R Macro

XF18-55mmF2.8-4 R LM OIS

 光学手ブレ補正付きの汎用的なズームレンズであるXF18-55mmF28-4 R LM OISは、手ブレ補正をいかし、手持ちの動画撮影などにも使えるオールマイティーなズームレンズだ。画質は広角端(18ミリ)で若干周辺が甘く感じ、樽型の歪曲がある。望遠端(55ミリ)は周辺まで解像しておりポテンシャルは高いといえよう。

 RAWからの画像を見ると広角端/望遠端ともに極端な歪曲補正は行っていないようだ。広角端では若干の周辺減光、そして両端には色収差が見受けられる。ズームレンズとしてみると素晴らしいパフォーマンスのレンズなのではないだろうか。

photophoto XF18-55mmF2.8-4 R LM OISの広角端(18ミリ)JPEGデータ(写真=左)、RAWをLightroomでストレート現像したデータ(写真=右)
photophoto XF18-55mmF2.8-4 R LM OISの望遠端(55ミリ)JPEGデータ(写真=左)、RAWをLightroomでストレート現像したデータ(写真=右)
photo F10 1/400秒 ISO400 露出補正−0.7 レンズ:XF18-55mmF2.8-4 R LM OIS
photo F14 1/420秒 ISO800 露出補正+0.3 レンズ:XF18-55mmF2.8-4 R LM OIS

 X-E1は独特のクラシカルなアナログ操作と、EVFによる撮影、ボディやレンズの質感などから趣味性の高いカメラと感じていたが、使い込んでX-Trans CMOSのポテンシャルを見るにつれ、より写真へ取り組める本格的なカメラという認識に変わった。

 今回使用したパース感を表現できる広角レンズ「XF18mmF2 R」、自然なパースとボケを表現できる「XF35mmF1.4 R」、寄れる中望遠とも言える「XF60mmF2.4 R Macro」、汎用性の高い「XF18-55mmF2.8-4 R LM OIS」のほかにも、超広角レンズ「XF14mmF2.8 R」や未発売だがロードマップ上には望遠ズームレンズ「XF55-200mm F3.5-4.8 OIS」なども予定されており、今後のXFレンズは写真表現をするにあたって隙のない展開となりそうである。

photo F2.4 1/2900秒 ISO200 レンズ:XF60mmF2.4 R Macro

 第1回では「AFボタンが左にあり押しづらい」と書いたのだが、先日発表されたXシリーズの最新モデル「X100S」では、方向ボタンを兼ねたコマンドダイヤルの「上ボタン」にAF機能が割り当てられており使い勝手が良さそうだ。ファームウェアアップデートなどで、X-E1へのフィードバックを期待したいところである。

 最後にひとつだけ、富士フイルムのX-E1のWebページには「よく使う撮影モードは“DRIVE”ボタンから」と掲載されているが、よく使う“撮影関連ボタン”はできれば右手側に配置してもらえるとうれしく思う。

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