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» 2013年02月12日 12時22分 UPDATE

シャッターボタンがないカメラ、「PowerShot N」の面白さを探ってみよう (1/5)

シャッターボタンがないカメラ、キヤノン「PowerShot N」は老舗メーカーが作ったとは思えない思い切りがたくさん詰まってる。ならではの面白さを探ってみたのだ。

[荻窪圭,ITmedia]

 2013年のCP+で最も話題をさらったといっても過言ではない……いや過言のような気もするけど、そのくらい面白がれるコンデジが登場した。キヤノンの「PowerShot N」である。

photo 「PowerShot N」(試作機) 分厚いリング部がシャッターリングとズームリング。レンズは28ミリ相当からの8倍ズーム

 各社が「スマホ時代のコンデジのありかた」を模索する中、今までのコンデジの流れから少し距離をおいて、新たにひとつのアイデアを提示したのだ。一見、モニタがチルトする小型の8倍ズームコンデジというなんてことないカメラなんだけれども、よく見るといつもの位置にシャッターボタンがない。なによりこれが面白い。老舗カメラメーカーが作るカメラとは思えない思い切りだ。

 発売が4月下旬予定でまだちょっと間があるわけで、今回触った製品も試作機とのことで画質の評価はできない。そのかわり、PowerShot Nならではの面白さを探ってみたいと思う。

撮影スタイルを自由にするリングシャッター

 1/2.3型 有効1200万画素の裏面照射型CMOSセンサーに、35ミリ換算28ミリからの光学8倍ズームレンズ。レンズの明るさはF3.0-5.9と、2013年初春のコンデジとしては普通のスペックである。

photo 正面から。両側に耳のように飛び出ているのがストラップ穴で、両吊りストラップが付属する。サイズは実にコンパクト。右上のLEDはAF補助光兼撮影時のライト
photophoto 正面から向かって左側には電源スイッチ。電源スイッチはもうちょっと大きくするか、モニタを開くと電源が入るといったギミックがあっても面白かったかなと思う(写真=左)、反対側には撮影モード(通常の撮影とクリエイティブショット)、ワンタッチスマホボタン、再生ボタンがある(写真=右)
photo 背面から。動画撮影の開始は画面上のボタンで行う

 正面から見るとストロボがない。高輝度LEDがついていてこれが光るわけだが、ストロボほどの光量はない。背面は全体が液晶パネルで90度チルトする。背面全部が液晶ってことは当然フルタッチパネル。感圧式ではなく、スマホと同じく静電容量式なので反応はよい。画面のユーザインタフェースは従来の同社製品とほぼ同じだが、静電容量式になったおかげで使い勝手は悪くない。

 電源や再生ボタンなどは両サイドにある。ここまでやったら液晶モニタを開いたら電源が入る、という手もアリかと思う。で、上面には何もない。じゃあ、シャッターとズームレバーはどこにあるのか。スマホと同じくタッチシャッターのみで撮るのか。

 違うのである。これが一番面白いところだ。

 PowerShot Nはシャッターの位置そのものを変えちゃったのである。レンズの根本に2つのリングがあり、ひとつがズームレバー、ひとつがシャッターリングなのだ。

photo 最外周に2つのリングがある。一番外側の上部に凸凹があるのがズームリングで回すとズーミング。内側のリングはシャッターで、ここのリングを中央に向かって押すとシャッターだ。半押しもちゃんとできる
photo こちらは底面。底面にも同じようにシャッターがついている

 シャッターリングは上下の2箇所にスイッチが入っており、上から押しても下から押してもいい。真横からはダメ。ただ、かなり斜めから押しても反応する。図にするとこんな感じ。

photo 真上と真下にスイッチがあるのだが多少斜めでもOK。かなり斜めでもちょっと押しづらいけど、撮れる。真横はダメって感じだ

 つまり、シャッターリングは「かなりアバウトに適当なところを押せばOK」なのだ。このアバウトに自由に押してもいいよ、好きな持ち方をして好きに撮ってねってとこが新しいのだ。

 でもまあ、清く正しいカメラの持ち方が身についている人からすれば「どこをどう持てばいいのか困る」と戸惑うだろう。なあに、逆に変な持ち方をして変な撮り方をすればいいのだ。

 いろいろと考えてみた。

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