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“良くできた二男”「EX-ZR700」をチェックする(2/2 ページ)

» 2013年02月19日 00時05分 公開
[佐藤直宏,ITmedia]
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 ZR300やZR1000のレビュー記事でも言及した、起動から終了までの高速性はZR7000でも継承されており、起動時間は約1.4秒、AF合焦時間は約0.18秒、レリーズタイムラグは約0.0016秒、撮影間隔は約0.26秒(数値はいずれも公称値)となる。実際にカメラを手にしても起動から終了まで、その軽快な印象は変わらない。

 以前の機種ならば撮影後の画像確認は再生ボタンを押す必要があったが、ZR700/400ではシャッターを押した直後に、撮影した画像が画面右下へポップアップ表示されるようになった(一部撮影モードを除く)。ポップアップされる表示は決して大きなものではなく、表れている時間も短いのでピントなどの確認には使えないが、撮影の直後に、確認画面が(全画面で)表示されるのを好まない人もいるので、面白い取り組みだと感じた。

 HDRアートやISO25600相当の超高感度撮影「HSナイトショット」といった撮影機能は基本的に既存モデルを踏襲するが、新たに搭載された「トリプルショット」では、シャッターボタン半押しで記録を開始し、全押しされた瞬間にその1枚と前後、あわせて3枚を記録する。プログラムオートなどで利用できる「パスト連写」と類似した機能だが、記録する枚数が少ない(パスト連写は前押しした瞬間の前後合計30枚)分だけ、連続しての利用が可能だ。バッターボックスの打者のような超高速の物体を撮るというより、子どもの表情のような被写体を撮るのに向いている。

photophotophoto 「トリプルショット」の例。AF追尾は行われず、シャッター半押しの位置でピントは固定される

 また、ZR700の特徴といえば、やはり35ミリ換算25ミリ〜450ミリ相当の光学18倍ズームだ。超解像ズームを併用すれば900ミリ相当までのズーム撮影が行える。また、撮影モード「HS手ブレ補正」を選択すれば、光学式手ブレ補正と連写合成によって最大シャッタースピード5段分の手ブレ補正効果を得られる。

photophoto 「HS手ブレ補正」で撮影した、ワイド端(25ミリ相当)とテレ端(450ミリ相当)。
photophoto 「HDRアート」は強・中・弱ほか、陰影の強く出るエクストラ1/2と5つの効果設定が加納となり、オリジナルを残すかどうかも選択できる。

 ZR700は主要ハードウェア構成としてはZR1000の弟分に当たるが、細部を見るとより高倍率なズームレンズの搭載やそのレンズ倍率を生かす「HS手ブレ補正」の搭載などもあり、より高倍率ズーム機としての最適化が行われている。ボディはやや厚みがあり、日常的に携行するというにはややためらいを感じるサイズではあるが、基本的にシャッターを押すだけで、ブレない写真をサクサク快適に撮影できることもあり、旅行向けの高倍率ズーム機としては有力な選択肢となるだろう。

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