機能面での注目は、「PHOTOSTORY」と命名された写真の合成機能だ。このモードを選ぶと、レイアウトされた複数の枠によって液晶画面が分割され、それぞれの枠内をタッチするか、シャッターボタンを押すことで各枠ごとの撮影ができる。そして、すべての枠を撮影してOKボタンを押すと、その画面全体が1枚の写真として保存される、という仕組みだ。
PHOTOSTORYの種類(テーマ)は、シンプルに画面を分割した「スタンダード」のほか、タッチパネル上を指でなぞって連続撮影ができる「スピード」、ズームの寄りと引きを組み合わせた「ズームイン/アウト」、フィルム風のデザインとなる「ファンフレーム」の計4種類が用意される。さらに、各テーマごとに分割の数やエフェクトの有無なども細かく選べる。
写真の加工や合成はレタッチソフトを使ってPC上で行うという人には不要な機能だが、後処理の手間をかけたくない人や、カメラ内のみで作業を完結させ、素早くWebなどにアップロードしたい人にとっては役立つ機能だろう。
また、東芝製の無線LAN内蔵カード「FlashAir」に正式対応したこともトピックのひとつだ。このカードを利用すれば、撮った写真を素早くスマホなどにワイヤレス転送できるようになる。そして、オリンパス製のスマホアプリ「OI.Share」を使って写真の閲覧やウェブへのアップロード、スマホ内でのアートフィルターの適用などが行える。なお「OI.Share」は、XZ-10に限らず多くの同社製品が対応している。
そのほかXZ-10では、最大10倍のズーム効果が得られる超解像ズームや、2コマを重ねて記録する多重露光、4種類の比率を選べるマルチアスペクト、最短1センチの接写ができるスーパーマクロなどの機能を搭載。オリンパスの定番機能アートフィルターについては11種類、アートエフェクトは5種類に対応する。
XZ-2にあったマニュアルフォーカスや電子水準器が省略されたのは少々残念なところ。RAW記録やマニュアル露出モード、内蔵フラッシュのマニュアル発光機能が省かれずに維持されたことは、個人的にはありがたく感じる。以下の2枚の写真では、露出をマニュアルで固定した上で、フラッシュを光量1/64でマニュアル発光させ、手前の花を明るく再現している。こうした近距離でのフラッシュ撮影では、マニュアル発光が意外と便利だ。
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