2013年のCP+で大人気だった富士フイルムの「FUJIFILM X20」。一見、ただの四角いクラシカルスタイルのコンデジだが、その本気度が違うのだ。既存モデルの「FUJIFILM X10」もけっこうインパクトがあったけど、実はX20の方が本気度がスゴイのである。
触ってみて素晴らしいと思ったのは3点。
ひとつめはサクサクと小気味よく動作すること。だから使ってて気持ちいい。X10の時点でかなり小気味よいカメラだったのだけど、起動もAFもさらにサクサクになり、かなりいい。
ふたつめはファインダー。搭載する光学ファインダーは、今までのコンデジにありがちな「単にズームと連動するだけののぞき窓」なだけじゃなく、ちゃんとファインダー内に情報表示があって実用的。
みっつめは画質。撮像素子はローパスレスの「X-Trans CMOS II」になって写りがよりキリッとした。この辺を念頭に置きつついきます。
X20のボディデザインはX10を踏襲しており、電源のオンオフは鏡胴で。レンズはマニュアルズームと電源が連動しており、OFFの位置からくるっと回してレンズを繰り出すと自動的に電源が入る。このときのククッと回すトルクがいい感じで、右手でグリップして左手でレンズを出すと、すぐ撮影可能。これが速くてよい。そしてファインダーを覗く。
このファインダーがX10とは別ものになった。のぞき込むとこんな感じ。
EVFじゃなくて光学ファインダーで、実際に撮影するレンズと光学ファインダーのレンズは位置がズレてるので、当然ファインダーで見える範囲と実際に写る範囲のズレ(パララックス)はあるし、視野率も85%。まあ、昔のコンパクトカメラと同じなのだけど、もうそういうもんだと思って使うべし。
光学ファインダーをのぞいて親指で露出補正をかけて、シャッターを押す。シャッターは非常に軽くて、クッという感じで切れるのが気持ちいい。これは快適。
ファインダーの横にアイセンサーがついてて、ファインダーから顔を外すと背面モニタに切り替わる。ただ、光学ファインダーが自動的にオフになるケースもある。マクロモード時はパララックスが大きくなるので背面モニタのみになるし、Advモードで特殊撮影するときも背面モニタのみとなる。
レンズは28〜112ミリ相当で、明るさはF2.0-2.8。同じXシリーズの兄弟機、「FUJIFILM XF1」はちょっとズームレンジは違うけどF1.8-4.9。それに比べると、X20の望遠端でF2.8というのは素晴らしい。テレ端でもシャッタースピードを確保しやすいし。
ただし、シャッタースピードの上限には注意。一応1/4000秒までいけるが、これはF9より絞り込んだときのみだ。F2.0だと最高で1/1000秒。F4で1/2000秒、F5.6で1/2500秒という感じで、晴天下にて絞り開放で撮ろうというのはちょっと無理。昼間、絞り優先AEで撮るときは注意したい。ここはNDフィルタを内蔵して欲しかったところだ。
撮影最短距離はスーパーマクロ時はレンズ前1センチだが、これは広角端のみ。通常のマクロモードは広角端で10センチ、望遠端で50センチとなる。望遠端でもうちょっと寄れるとうれしいかな。標準モードでは広角端で50センチ、望遠端で80センチだ。
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