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さっと起動、すっとのぞいて、タッと撮る――進化した軽快デジカメ「FUJIFILM X20」(1/5 ページ)

» 2013年03月13日 11時40分 公開
[ITmedia]

 2013年のCP+で大人気だった富士フイルムの「FUJIFILM X20」。一見、ただの四角いクラシカルスタイルのコンデジだが、その本気度が違うのだ。既存モデルの「FUJIFILM X10」もけっこうインパクトがあったけど、実はX20の方が本気度がスゴイのである。

photophoto スポッとはめるクラシカルなレンズキャップの「FUJIFILM X20」。ボディデザインも昔のコンパクトカメラ風で、レンズを手で回すと電源が入る

 触ってみて素晴らしいと思ったのは3点。

 ひとつめはサクサクと小気味よく動作すること。だから使ってて気持ちいい。X10の時点でかなり小気味よいカメラだったのだけど、起動もAFもさらにサクサクになり、かなりいい。

 ふたつめはファインダー。搭載する光学ファインダーは、今までのコンデジにありがちな「単にズームと連動するだけののぞき窓」なだけじゃなく、ちゃんとファインダー内に情報表示があって実用的。

 みっつめは画質。撮像素子はローパスレスの「X-Trans CMOS II」になって写りがよりキリッとした。この辺を念頭に置きつついきます。

光学ファインダーの良さとX-Transの解像感

photo 正面から。ボディにフォーカスモード切替スイッチ。光学ファインダーとレンズの位置関係を見ると左右より上下にズレが大きいのが分かる

 X20のボディデザインはX10を踏襲しており、電源のオンオフは鏡胴で。レンズはマニュアルズームと電源が連動しており、OFFの位置からくるっと回してレンズを繰り出すと自動的に電源が入る。このときのククッと回すトルクがいい感じで、右手でグリップして左手でレンズを出すと、すぐ撮影可能。これが速くてよい。そしてファインダーを覗く。

 このファインダーがX10とは別ものになった。のぞき込むとこんな感じ。

photo 露出や撮影モードの情報が表示される。右下に黒い円弧が写っているが、これはレンズの鏡胴。ちょっとケラれてるのだ。ピントがあうとさらに緑色の枠が表示される

 EVFじゃなくて光学ファインダーで、実際に撮影するレンズと光学ファインダーのレンズは位置がズレてるので、当然ファインダーで見える範囲と実際に写る範囲のズレ(パララックス)はあるし、視野率も85%。まあ、昔のコンパクトカメラと同じなのだけど、もうそういうもんだと思って使うべし。


photo 背面モニタと光学フィンダーで撮り比べてみた。左が背面モニタで、同じ構図になるよう光学ファインダーをのぞいて撮ったが、パララックスや視野率の関係でこのようにズレる。被写体との距離は約1.8メートル

 光学ファインダーをのぞいて親指で露出補正をかけて、シャッターを押す。シャッターは非常に軽くて、クッという感じで切れるのが気持ちいい。これは快適。

photophoto シャッターボタンには昔ながらケーブルレリーズを取り付け可能

 ファインダーの横にアイセンサーがついてて、ファインダーから顔を外すと背面モニタに切り替わる。ただ、光学ファインダーが自動的にオフになるケースもある。マクロモード時はパララックスが大きくなるので背面モニタのみになるし、Advモードで特殊撮影するときも背面モニタのみとなる。

 レンズは28〜112ミリ相当で、明るさはF2.0-2.8。同じXシリーズの兄弟機、「FUJIFILM XF1」はちょっとズームレンジは違うけどF1.8-4.9。それに比べると、X20の望遠端でF2.8というのは素晴らしい。テレ端でもシャッタースピードを確保しやすいし。

 ただし、シャッタースピードの上限には注意。一応1/4000秒までいけるが、これはF9より絞り込んだときのみだ。F2.0だと最高で1/1000秒。F4で1/2000秒、F5.6で1/2500秒という感じで、晴天下にて絞り開放で撮ろうというのはちょっと無理。昼間、絞り優先AEで撮るときは注意したい。ここはNDフィルタを内蔵して欲しかったところだ。

 撮影最短距離はスーパーマクロ時はレンズ前1センチだが、これは広角端のみ。通常のマクロモードは広角端で10センチ、望遠端で50センチとなる。望遠端でもうちょっと寄れるとうれしいかな。標準モードでは広角端で50センチ、望遠端で80センチだ。

photo 鏡胴部分には35ミリフィルム換算の焦点距離が書いてある。ズームリングのトルクはほどよい感じで、メカニカルズームの気持ちよさ満喫という感じ
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