桜全体を撮ろうと思うとき、厄介なのが陰影。
晴れてるときは特に、日なたの桜と日陰の桜では印象が違いすぎるので恐ろしい。日当たりのいいところに1本だけ咲いている桜ならまったく問題ない。
でも都市部の桜だとなかなかそういうわけにはいかず、極端な話、こんなことになるのだ。
右から光が当たっているのだが、一緒に撮りたかった鯨のしっぽの影が桜に落ちててそこだけ暗い。普通のことなのだが、桜は日なたと日陰では雰囲気が違いすぎるので、そこが目立っちゃうのだ。
それはぜひ避けるべし。広く撮ろうとすると日陰桜は避けられないので、ちょっと角度を変えてしっぽのあたりを中望遠で狙ってみた。なるべく明るい桜が目立つアングルを探したのである。
桜がある風景を撮りたいときは、あらかじめ陽射しの向きを考えておくとなおよい。例えばこの写真。方角的にあと2時間くらい早い時間なら、奥まで陽射しが当たって全体がもっと明るくなってた。
狙っている風景があるのなら、太陽の方向まで気にしよう。
日陰の枝を組み合わせることで、特定の花を目立たせることもできるし、日陰の枝が全体を台無しにすることもある。
つまるところ、桜(特にソメイヨシノ)は基本的にけっこう地味な色をしているので光の影響を受けやすいのだ。だから露出のコントロールが重要になる。
背景が明るくて日陰のになってる花を撮るときはプラスの補正を。
日陰の桜で背景が青空なのですごく暗い写真になったけど、あきらめてはだめ。日陰ってことは日光が直接当たってないので陰影がほとんどついてない、つまりコントラストが低いやわらかな写真にできるってことなのだ。
思い切りプラスの補正である。
まったく違う桜、というくらい雰囲気が変わった。曇っている時には思い切って、花に陽射しが当たってて背景もほどよく青いときは、かるくプラスの補正を。
要するに桜はプラスの補正をかけて明るめに撮った方が華やかになるという話。逆に背景が暗いときはマイナスの補正。そうしないと花が真っ白に飛んじゃう。
八幡神社の方は神社っぽさを出すために赤い拝殿を背景に入れ、花びらは赤とかぶらないよう暗い背景に合わせて少しマイナス補正をかけて撮ってみた。背景が暗いと花はキリッとした感じになるし明るいとほわっとした感じになる。その辺はもうお好みで。
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