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ぐっと引き締まったエントリー向けNEX ソニー「NEX-3N」(2/3 ページ)

» 2013年03月19日 10時08分 公開
[ITmedia]

「オート」に進化したフレーミング機能

 撮像素子は有効1610万画素“Exmor”APS HD CMOSセンサー(センサーサイズは23.5×15.6ミリ)。NEX-5RやNEX-6に導入された像面位相差AFは備えていないが、一般的な利用の限りではAF速度に遅さを感じることはない。体感で言えばNEX-5Nに近い。ISO感度はISO 200〜16000とここは最高ISO25600のNEX-5Rに比べると見劣りするが、そこは製品の位置づけと言うことだろう。

 撮影機能はNEX-5Rとほぼ共通。P/A/S/Mの各モードにおまかせオート、連写合成も必要に応じてカメラが自動的に行うプレミアムおまかせオートを備え、ピクチャーエフェクト機能(いわゆるデジタルフィルタ)やスイングパノラマ機能も利用できる。

 NEX-5Rや前モデルNEX-F3では「オートポートレートフレーミング」となっている、カメラがトリミングで教科書的な構図を自動的に作り出してくれる機能は、「オートフレーミング」となり、撮影状態が「マクロ」「被写体追尾」の状態でも効くようになった。トリミングながら超解像による補完が行われるので、切り出しされた画像もフル画素(16M)で、オリジナルも保存される。

photophoto このように対象がモノでもオートフレーミング機能は有効(撮影状態「マクロ」時)。ただ、被写体が人物以外の場合はオートフレーミングは発動しにくい。主被写体が画角の中心にある時の方が発動しやすいようだ

 ソニーのサイトにはオートフレーミング機能について、「マクロ撮影や動く被写体の撮影にも活用でき、テーブルフォトやペット写真をより魅力的に仕上げられます」とあるが、カメラが「マクロ」のサイン(左上に花のマークが表れる)を出してもオートフレーミング機能は有効になったりなかったりで、必ずしもすべての状況で有効となるわけではない。試用した限りでは、人物が被写体に含まれていないと(顔検出がオンにならないと)オートフレーミングの動作する機会が少ないように感じた。

 オートフレーミング機能がトリミングという手段で実現する機能なだけに、ダメな状況(どうトリミングしても教科書的な構図にならないとき)もある、というのは理解できる。しかし、写真を学ぶという意味でも面白い機能なので、利用時にガイドがオーバーレイ表示されるなど、利用者へ構図を意識させるきっかけがあればより面白みが増すだろう。この辺りはファームウェアアップデートでの改善を期待したい。

photophoto 人物の顔を認識した状態ならば、高い確率でオートフレーミング機能が働く

 動画は最高1920×1080ピクセル/60iのフルハイビジョン動画で、AVCHD形式ならば24Mbpsまでビットレートを上げられる。保存はMP4形式も選択できるるが、MP4では最大画面サイズが1440×1080ピクセル/ビットレート12Mbpsまでとなる。小さな点ではあるが、背面の「録画」ボタンは“うっかり触れて録画”を防ぐため、メニューから無効化することもできる。


photo メニュー画面。「アプリ」の項目はなくシンプル

 NEX-5R/6で大きな特徴となっているアプリによる機能追加は行えないが、NEX-5Rの描写性能を持ちながら、ストロボ内蔵やズームレバー搭載、強化されたオートフレーミング機能を併せ持つことで、初めてレンズ交換式を手にするひとでも容易に扱えるのがNEX-3Nだといえる。

 ボディが小さくグリップも小さめなので、「E 55-210mm F4.5-6.3 OSS」など長いレンズを装着すると構えた際にバランスを保つのが難しくなるという問題はあるが、キットの電動ズームレンズやパンケーキレンズ「E 20mm F2.8」といった全長の短いレンズをつけて、軽快に撮っていくのがこのカメラには似合うと思う。

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