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1200ミリの世界を手軽に楽しめる超高倍率ズーム機 ソニー「DSC-HX300」(2/3 ページ)

» 2013年04月05日 14時41分 公開
[佐藤眞宏,ITmedia]

 撮影モードダイヤルには、P/A/S/Mの一般的な露出モードに加えて、サイバーショットではおなじみのおまかせオート/プレミアムおまかせオート、シーンモード、パノラマなどが用意されている。なお、レンズの開放F値はF2.8-F6.3で、絞り羽根は7枚絞り羽根の虹彩絞りとなる。絞り優先オートで絞り値を変えながらの撮影という、一眼レフ的な使い方にも対応できるが、F8より絞ることはできない。

photophoto P/A/S/Mといったモードの並ぶ撮影モードダイヤル(写真=左)、鏡胴に設けられているズーム/ピント切り替えスイッチ(写真=右)

 搭載する撮像素子は1/2.3型 有効2040万画素の裏面照射型CMOSセンサー“Exmor R”で、画像処理エンジンには“BIONZ”を組み合わせる。ISO感度は最高ISO12800だが、ISO4000以上は重ね合わせ処理による値となる。

photo 夜桜を1200ミリ相当のテレ端で。F6.3 ISO800 1/80秒

 撮影機能としては、フル画素(20M)での秒間10コマ連写が目を引く。メカシャッターを使っての連写なので高速移動する被写体を撮影してもゆがみ(ローリングゆがみ)が生じることなく、正確な形で記録できる。ただ、記録可能枚数は10枚まで(つまり1秒分しか記録できない)で、USH-I対応カード(サンディスクのExtreme Pro 45MB/s)を使っていても撮影後にカードへの記録が終了するまでに数秒の時間がかかった。

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photophoto フル画素による連写例

 そのほか、ライブビュー撮影で画面を確認しながら明るさ(露出)/色合い(ホワイトバランス)/鮮やかさ(彩度)を調整できる「マイフォトスタイル」や、いわゆるデジタルフィルターの「ピクチャーエフェクト」、360度対応のパノラマ撮影機能など、サイバーショットシリーズで搭載している機能は一通り備えている。

 動画撮影は1080/60pに対応し、手ブレ補正もデジタルビデオカメラ「ハンディカム」での技術を元にした光学/電子式の併用補正「アクティブ」モードが機能するため、回転方向の補正も行われる。動画撮影しながらの静止画撮影も可能だ。記録形式はAVCHDおよびMP4だが、最高画質となる1080/60pはAVCHDのみとなる。

1080/60pのフルHD動画。ズーム倍率を上げていくと手ブレがシビアになる様子が分かる

 HV300のような超高倍率ズームレンズ機の最大のメリットといえば、やはり1台で非常に広範囲の撮影が可能なことだろう。24ミリから1200ミリ相当までカバーできれば、まず、焦点距離での問題を感じることはないはず。ズームデジカメとしての利便性は非常に高いのだが、GPSやWi-Fiによるスマホ転送など撮った後の活用をスムーズにする機能を備えていないのはちょっと惜しい。

 ただ、交換レンズで1200ミリ相当を実現しようとすれば、非常に高価なレンズが必要となりそれでも焦点距離が足らずにテレコンバーターを介してといったようにハードルが高くなることを考えると、1台で1200ミリ相当までカバーできるのは大きな魅力だ。

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