動画を中心に撮影機能について触れてきたが、忘れてはならないのがWi-Fi(無線LAN)とGPS機能だ。GPSは今やおなじみ、上空にあるGPS衛星の電波を使って現在地の緯度経度を算出し、写真に撮影場所を記録してくれる機能。これがあると、どの写真をどこで撮ったかあとから確認できてすごくいい。写真についた位置情報を「ジオタグ」という。
SX280 HSのGPSが賢いのは、Wi-Fiをうまく使っていること。GPSの欠点は「最初の測位」に時間がかかること。一度測位すれば次からは数秒で済むが、その日の最初、あるいは長く移動したあとの測位は1分くらいかかってしまうのだ。
で、それを短くする有効な方法が「GPSアシストデータ」。あらかじめその日のGPS衛星の位置を記したデータを使うことで最初の測位を高速化できる。今までGPSアシストデータを利用するデジカメのほぼすべてがパソコンを経由して取得していたが、SX280 HSは単体でそれが可能になった。
インターネットにつながったWi-Fiのアクセスポイントにつないでやれば、自動的にGPSアシストデータをダウンロードしてくれるのだ。これは素晴らしいアイデア。
もちろんWi-Fiはこのためだけにあるわけじゃない。無線プリントやパソコンへの転送も可能だ。でも、一番活躍するのはスマートフォンとの連携だ。
スマートフォンはいつでもネットにつながっていて画像の編集も得意だが、内蔵のカメラはズームもできないし画質はデジカメに劣る。逆にデジカメは写真や動画を撮るのは得意だけど、通信機能を内蔵しないから写真をメールしたり公開したりそれにコメントを付けたりは無理。
そこで、スマートフォンとデジカメをWi-Fiでつなぎ、さっと写真を転送することで両者の得意分野を生かせるのだ。
SX280 HSでの作業は簡単で、パターンは2通り。
ひとつはWi-Fiアクセスポイントを介してカメラとスマートフォンをつなぐ方法。例えばインターネットにつながったアクセスポイントにスマートフォンをつないでるとき(例えば自宅とか、無線LANがあるカフェとか)は、この方法がいい。
もうひとつは屋外など周りにWi-Fiアクセスポイントがないとき。そのときはカメラをスマートフォンを直接Wi-Fiでつなぐ。この両方に対応してくれているのがうれしいところ。
準備は、専用のアプリ「Canon CameraWindow」をダウンロードしてそれを起動しておくだけだ。
あとはカメラを再生モードにして上キーを押してWi-Fiを作動させ、カメラから「この写真を転送したい」と思ったものをスマートフォンに送ってもいいし、逆に、スマートフォンからカメラ内画像一覧を取得して、一覧から転送したい写真を選んでもいい。動画の転送もできる。
いったんスマートフォンに写真を転送してしまえば、普段スマートフォンのカメラで撮った写真を扱うのと同じように加工したり、SNSにアップしたり、メールに添付して送ったりすればいいのだ。これは体験してみると便利さを痛感する。
旅先や屋外で写真をスマートフォンでゆっくり見たり、その場で「今ここにいるよー。景色がきれいだったよー」というようなコメントと一緒に公開してもいいし、自宅でもパソコンを使うより気楽に撮った写真をスマートフォンからオンラインアルバムに公開したりできる。
かくして、PowerShot SX280 HSは冒頭に書いたとおり、広角も望遠もOKで、カメラまかせで動画も静止画もきれいに撮れて、しかもスマートフォンを持っていればいつでもどこでも撮った写真を見たり渡したり公開できるというなんともぜいたくな要望に応えてくれる新世代のデジカメなのである。とりあえずこれ1台あればどんなワガママにも応えますという感じがスゴイのだ。
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アイティメディア営業企画/制作:ITmedia デジカメプラス編集部/掲載内容有効期限:2013年5月24日