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第1回 ロケ用の優秀なサブ機に――僕がdynabook KIRA V832を導入した理由カメラマンが使う「dynabook KIRA V832」(1/2 ページ)

» 2013年05月10日 20時00分 公開
[矢野渉(文と撮影),ITmedia]

仕事用のノート「VAIO F」には満足している……が

photo dynabook KIRA V832

 僕の仕事の8割ぐらいはスタジオでの「ブツ撮り」だ。撮影対象に光を当て、フレーミングをして、シャッターを押す。写真の確認には10年以上前からノートPCを使用している。そのころはデジタル一眼レフカメラの背面にある液晶で確認するカメラマンもいたが、僕は最初からノートPCを導入した。

 その理由は、小さな画面では失敗を見落とす可能性があること、そしてメモリ(コンパクトフラッシュ)が信用ならなかったからだ。当時はカードの抜き差しで事故が起こり、データが消えてしまうことがよくあった。だから僕はカメラとノートPCをケーブル(IEEE1394やUSB)でつなぎ、撮影データを直接HDDに取り込むようにしていたのだ。

 これまで仕事用のノートPCを何台か買い替えてきたが、現在使っているノートPCにはとても満足している。もう丸3年使っているが、スペック的な不満はほとんどない。それが「VAIO F」のクリエイティブエディション(オーナーメードモデル/Premium Black)だ。Core i7-720QM(1.6GHz)に8Gバイトメモリ、そして何より16.4型のフルHD液晶ディスプレイが素晴らしい。この液晶はAdobe RGBを100%カバーするほどの広い色域を表示できるのである。

 写真をやっている人なら分かると思うが、液晶パネルはドット数が多ければ多いほどよいし、表示できる色域は広ければ広いほどよいのだ。残念ながらVAIO Fシリーズはすでに生産を終了してしまったが、僕はしばらくこのノートを使い続けると思う。

 とはいえ不満もある。専用のリュックを購入し、VAIO Fを背負って移動できるようにはしているが、本体重量が3.2キロもあるため重いのだ。車で移動してスタジオで撮影する場合なら問題ないが、ロケでの撮影にはさすがに持っていけない。そこでストレージャー(写真のバックアップ)と割り切って軽いNetbookを持参しているのだが、画面が小さいことや色が信用できないことから、逆にストレスがたまることも多い。

 このVAIO Fと同等か、できればそれ以上のスペックがある「軽い」ノートPCがあれば、サブ機として導入したいと常々考えていたのだ。

 普通に考えれば、真っ先に候補に挙がるのが13インチMacBook Pro Retinaディスプレイモデルだろう。13.3型ワイド液晶で2560×1600ドットという高解像度ディスプレイは確かに魅力的だ。しかし約1.62キロという重量が気持ち重く感じるのと、ずっとWindows環境で写真をいじってきた身としては今さら変えられないところもある。BootCampを使う手もあるが、Macのキーボードになかなか慣れないのだ。

意外なところから福音が

 朗報は意外なメーカーから聞こえてきた。ビジネスイメージが強い東芝「dynabook」からRetinaディスプレイに匹敵する2560×1440ドットの液晶を搭載したUltrabook「dynabook KIRA V832」が発売された。重量はMacBook Proより270グラムほど軽い約1.35キロだ。写真家として気になるのは、液晶テレビ「REGZA」の技術を利用して1台ずつ色を調整して出荷するということ。また、ElementsではあるがPhotoshopとPremiereがバンドルされることも何か自信を感じさせる。これはまさかのCreative Editionなのだろうか。

photophoto フルHDの写真を100%で表示させてみた。KIRA(左)とVAIO F(右)のドットの差がよく分かる(写真=左)。彩度の高い写真を表示。VAIO Fのほうが赤がよく再現されている。KIRAはわずかに色温度が低い印象だ(写真=右)

 今回は東芝ダイレクト限定で販売されているdynabook KIRA V832のWebオリジナルモデルを長期で貸与していただく機会に恵まれた。仕事に活用して率直なリポートを何度かお届けしたい。

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