単にフィルターをかけているように思えるけれど、内部ではけっこうややこしいことをしている。
1回シャッターを切ると、3枚連写する。普通に連写することもあれば、設定(露出やAF)を変えながら連写することもある。どう連写するかはカメラがその場の状況で判断してる。よって、連写する間待つのが重要。シャッターを切ったら一呼吸分じっとするべし。
さらにいえば3枚連写した上に5枚生成するので、その分だけ撮影間隔が長くなるから(シャッターを切ってから次の写真を撮れるまで6秒くらい)、連続して撮るには向かない。待てないときは素直に通常撮影モードを。こちらはサクサクと撮れる。
で、撮った写真をベースに、フィルタをかける・トリミングする・傾きを調整する、の3つを組み合わせて無数のバリエーションから5枚を作ってくれるのだ。それもランダムではない。顔を検出したらちゃんとそれを考慮した処理をするなど、シーン自動認識機能を応用しているようだ。
例えばこの写真。普通に鯉のぼりである。
でも背景が森で暗いので、鯉のぼりが露出オーバーになってる。でもクリエイティブショットで撮ったらこんな写真ができてた。
カメラが自動的に明暗差が大きい構図だからと露出を抑えた写真も撮り、それをベースに彩度を上げてくっきりした写真も作ってくれたのだ。けっこう賢いのだ。でも5枚の中にこんな謎トリミング写真もまじってた。
なぜここをこんな風に切り取ったのか謎だが、まあ5枚も生成すれば謎なカットも混じるわけで、5枚のうち1枚くらいなら許せるというもの。アタリハズレがあるのもまたオツである、くらいの感じで、1枚でも「これはいい!」のがまじってたら合格くらいの気持ちで使うべし。
予想外の1枚が面白いこともある。
例えば、わざわざタッチAFを使って手前の亀にピントを合わせて撮った氷川神社の写真。
するとPowerShot Nが生成した5枚にはこんな写真がまじってたのだ。
奥にピントがあってるではないか。手前の亀がボケてるじゃないか。でも、よく見ると、橋の欄干だけ赤くて他はほどよく脱色され、これはこれで味のある写真になってる。
お次は謎トリミングの例。使われなくなった貨物列車を至近距離からローアングルで撮った写真。
そしたら手前にピントを合わせてなおかつわざと周辺をほわっとぼかしたノスタルジックな写真や、レトロにモノクロ写真を作ってくれたと思ったら、何の変哲も無い一部分をトリミングした謎のカットも作ってくれたのだ。
たまに「そうそうこういう感じにしたかったんだよ」というアタリが出るのもうれしい。
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