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とにかく“速い”カメラストラップ「CARRY SPEED」気になる「アレ」を使ってみよう

» 2013年06月20日 15時00分 公開
[野村シンヤ,ITmedia]
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 三脚やストロボをはじめ、カメラの周辺アイテムは非常に多種多様かつ、便利なものが多い。その中から新製品はもちろん、とくにカメラを始めたばかりの人に役立つと思われるアイテムを独自チョイスで紹介していくこの連載。第1回は、ちょっと変わったカメラストラップ、CARRY SPEED社のカメラストラップ「CARRY SPEED」シリーズを使ってみよう。国内ではハクバ写真産業から販売されている製品だ。

photophotophoto 「CARRY SPEED」の装着例。カメラの底から吊るしてたすき掛けするためにカメラは腰の右側あたりに位置し、すぐに右手がグリップに届く

 通常、カメラストラップというとカメラの両脇に取り付け、首からさげるネックストラップタイプが一般的。CARRY SPEEDシリーズはちょっと変わっていて、肩からかけるショルダータイプのストラップにカメラを下げ、未使用時には腰の横に持ってくるスタイルになる。

 軽いミラーレス機なら首からさげていてもそれほど負担にならないが、これが重量級の一眼レフ機だと、首からさげているとどうしても疲れやすいうえに、歩くたびに振動で重いものが胸元で暴れてカメラのすわりも悪い。それを肩から掛けることで、負担を軽減してくれるわけだ。

構える速度が格段にアップするヒミツ

 CARRY SPEEDの一番の特徴は、名前に“SPEED”とあるように“速さ”。何が速いのかというと、カメラを下げている状態から撮影状態に移行するまでの動作だ。CARRY SPEEDを使うと、驚くほどすんなりカメラを構えることができる。今年2月に開催されたCP+2013の展示でも「無敵の速写ストラップ」と銘打たれて大々的に紹介されていた。

 そのヒミツはどこにあるのかというと、ズバリ“手の位置にカメラがある”こと。

 使ってみるとよく分かるのだが、カメラを下げた状態で、右手のすぐ近くにカメラグリップがあるので、つかんで構えるという一連の動作がとてもスムーズ。ネックストラップで胸元にカメラがある場合だと、「右手をグリップの位置まで上げる」→「グリップをつかむ」→「もう一度持ち上げて顔の前に構える」という動作になるが、CARRY SPEEDを導入すると、「カメラグリップをつかむ」→「カメラを持ち上げて顔の前に構える」という動作になる。文字にすると違いは小さく思えるが、使ってみるとその差は大きい。

photophotophoto 構える動作を横から。グリップは右手のすぐ近くにあるので、そのまま握って、あとは持ち上げて顔の前にもってくればOK。構えるという一連の動作が実にスムーズ

 また、装着時にはカメラのグリップが常に体の外側を向くように工夫されている。カメラの底面にプレートを装着して、それをストラップに取り付けるのだが、ジョイント部分はカメラの左側にくるように取り付けるので、カメラの左側を支点としてつるす形になる。もし、これをカメラの三脚穴に直接ねじで留める方法だと、そこを中心としてカメラが回転して体の横で常に同じ位置にするのは難しくなってしまう。

photo 金属製のプレートをカメラの三脚穴にしっかりとネジ留めし、ボールヘッドをストラップに付いている金属製のコネクタに取り付ける。両方、ゆるみがないようにしっかりと取り付けておこう。プレートには三脚穴も用意されているので、プレートを装着したまま三脚に固定することもできる

 カメラの底面に装着するプレートは「FSシリーズ」「CSシリーズ」の2タイプがあり、それぞれボールヘッドをショルダーストラップに付いている金属製のコネクタに装着する。FSシリーズはボールヘッドが可動式になっており、カメラを取り付けたまま平らな場所に安定しておくことができるうえ、アルカスイス規格のクイックシューとしても利用可能だ。一方、CSシリーズはボールヘッドが固定式になっているが、価格は抑えられている。

一度使うとやめられない使い勝手の良さ

 今回試用したのはFSシリーズの「FS-SLIM」、ショルダーパッドの幅を抑えたスリムタイプだ。これをキヤノンのEOS 7Dに高倍率ズームレンズを取り付けた状態でストラップにセットしてみた。カメラの重さが約910グラム、レンズが約630グラムなので、合計で1.5キログラム弱ほどの重量。

 正直に言うと、カメラの両脇を吊るす形のネックストラップタイプだと、2カ所でつながっているという安心感みたいなものがあるのだが、こういった重さのあるカメラを1カ所でとめるというのは何とも言えない不安があった。

 とりあえずやってみないと始まらないということで実際に製品を手に取ってみると、プレートやボールヘッドはガッチリとした金属製で、剛性は十分ありそう。ただ、説明書にも書いてあるのだが、ゆるみなくしっかりと締め付けて固定することが肝心。それとゆるみ防止のため、定期的なチェックを心がけたい。

 ショルダーパッドはネオプレーン製で適度な伸縮とクッション性を持ち、かつ滑りにくくなっており、ストラップが肩からズレることもない。また、ストラップ自体の長さもリングを引っ張るだけで調整できる。こういった使い勝手のよさはよく考えられているなと感心した。

photophotophoto ストラップの長さも簡単に調節することが可能。タグを下に引っ張れば、体にフィットする長さに調節でき、カメラを構えることで撮影可能な長さに再び戻すことができる。また、カメラをさげた時に背中側に回り込まないようにするスリングストッパーもついているのもポイント(写真=左、中)、ストラップとショルダーパッドをつなぐ部分には3点式のバックルが採用されており、そう簡単には外れないようになっている(写真=右)

 今まで使ったことのない固定方法でカメラを持ち歩くことから最初はオドオドと使っていたのだが、一日持ち歩いていたら不安はいつの間にか払拭され、すぐに構えられる、胸元でカメラがバタつかないといったこともあり、かなり快適に使うことができた。

 ネジ止め部分のゆるみチェックのほかに気を付けることを挙げるとすると、自分の腰の横にカメラがあることを忘れないことだ。というのも、電車の駅で自動改札機を通る際にそのことをすっかり忘れて、何回かカメラをぶつけてしまい、ちょっとした冷や汗をかいてしまった。我ながらなんともアホな話である。

 ある程度の重さのあるカメラを軽快に持ち運びつつ、すぐに構えられるようにさまざまな工夫がこらされたCARRY SPEEDシリーズ、新しくカメラストラップの購入を考えている人は検討されてみてはいかがだろうか。カメラプレート(FS/CS)とストラップの組み合わせは複数用意されており、購入しやすい価格に抑えられたスタンダードタイプから、重量級レンズを2点で支える補助ストラップのついたプロ仕様のものまで用途に応じて選択できる。

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