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デジタル画像を「上手に」「まとめて」管理できるか――ソニー「LLS-201」を試す気になる「アレ」を使ってみよう(2/2 ページ)

» 2013年07月11日 00時10分 公開
[佐藤眞宏,ITmedia]
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「再生」と「共有」

 再生については、PCS Managerをインストールしたスマートフォン/タブレットから閲覧するほか、背面のHDMIを使ってテレビで見ることや、DLNA対応機器からの閲覧にも対応する。複数のスマホ/タブレットから同時にLLS-201へ接続しての閲覧も行えるが、アプリの閲覧モードが日付順と新着の2つしかなく、大量の画像を転送した状態での検索性はあまり高くない。タブレットから利用すれば画面が広くなる分だけ閲覧性は上がるが、検索性は変わらない。

photophotophoto LLS-201に保存された画像のスマホからの再生画面(Android版)。ファイル名や撮影機器によるソート機能は用意されていない

 動画の再生にも対応しており、本体にはハードウェアエンコーダを搭載しているので、再生機器に合わせての解像度とファイル形式変換も行ってくれる。なお、HDMIでテレビと接続した状態でも、基本的には操作はスマートフォン/タブレットの画面を見ながら行う仕様となっており、あくまでもスマホ/タブレットと組み合わせて使うことを念頭とした製品であることは、本製品のユニークな点と言える。

photo 動画再生画面(Android版 PCS Manager)

 SNSなどでの共有に関して、LLS-201自体はアップロード機能を持たず、PCS Managerがその機能を受け持つ。LLS-201に保存されている画像をスマートフォン/タブレット側へコピーし、そこからInstagramやFacebookなど任意のアプリを使って共有するという手順になる。ここからも、スマホ/タブレットとの組み合わせが前提の製品であることが分かる。


 さてこのLLS-201、NASというにはパソコンレスの指向が強く(DLNA経由でパソコンから閲覧はできるが、パソコンへのファイルコピーなどはできない)、ホームサーバと呼ぶにはサーバとしての機能が限定されている。同社では本製品を「パーソナルコンテンツステーション」と呼称しているが、スマホあるいはタブレットが家庭にあることを前提とした、コンテンツの中継点という感じの意味合いなのだろう。

 このコンセプトは時流にあったものといえるし、試用した限りでは、これからデジタルコンテンツの管理や活用はこうした方法が一定の支持を得るのだろうという姿をかいま見せてくれた。ただ、極論を言ってしまうと、本製品が真価を発揮するのはNFC対応機器以外を組み合わせたときだけと言っていい。

 撮影機器のデータを死蔵させないためには、とにかく手間をかけずにデータを外部にエクスポートしなくてはならない。Wi-Fiのアクセスポイントを手動で切り換えたり、メモリカードやUSBケーブルを抜き差ししたりといったひと手間を無くさないと、「結局、面倒じゃないか」という状況に陥ることは目に見えている。その対策として、NFCを使った転送の省力化はかなり有効であることを体感できた。今後、デジタルカメラやビデオカメラ、スマートフォンへのNFCの積極的な普及が進むことを期待したい、そんな感想を抱かせた製品だ。

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スマートフォン、デジタルカメラなどで撮影した写真やビデオを「まとめて保存・再生・共有」できる


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