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オリンパス、一眼レフを統合するフラグシップ「OLYMPUS OM-D E-M1」(1/2 ページ)

» 2013年09月10日 13時00分 公開
[ITmedia]
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 オリンパスは9月10日、マイクロフォーサーズ規格に準拠したデジタルカメラ「OLYMPUS OM-D E-M1」を10月上旬より販売開始すると発表した。ボディキャップレンズ「BCL-1580」を同梱したボディのみ、「M.ZUIKO DIGITAL ED 12-50mm F3.5-6.3EZ」との12-50mm EZレンズキット、新レンズ「M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO」との12-40mm F2.8レンズキットが用意され、いずれも価格はオープン。

 実売想定価格はボディのみが14万5000円前後、12-50mm EZレンズキットが17万円前後、12-40mm F2.8レンズキットが22万円前後。12-40mm F2.8レンズキットのみ10月下旬の販売開始となる。

photo 「OLYMPUS OM-D E-M1」(12-40mm F2.8レンズキット)

新製品は2012年春に発表された「OLYMPUS OM-D E-M5」(レビュー)の上位にあたる製品であり、2010年秋に発表された同社トップエンドのデジタル一眼レフ「OLYMPUS E-5」の後継ともなる製品。E-5の系譜を継ぐ製品として、フォーサーズとマイクロフォーサーズいずれのレンズにおいてもオートフォーカスが動作する新AFシステム「DUAL FAST AF」を搭載している。

 「DUAL FAST AF」は新開発の有効1628万画素 Live MOSセンサーの撮像面に搭載された37点の像面位相差AF用センサーとコントラストAFを併用するAFシステムで、レンズや設定に応じて位相差/コントラストのAF方式が選択(状況によっては併用)される。像面位相差AFはフォーサーズ規格のレンズを装着した際に自動選択され、その速度はE-5に迫り、また、F2.0クラスのレンズを装着した際にはE-5以上の精度を発揮するという。ただ、レンズマウントはマイクロフォーサーズ規格であり、フォーサーズ規格のレンズを装着する際には「MMF-3」などマウントアダプターが必要となる。

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 マイクロフォーサーズ規格のレンズを装着した際には自動的にコントラストAFが選択され、測距点はOM-D E-M5の35点から81点へと大幅に増加している(81点中37点は像面位相差AFと同じ位置にある)。コントラストAF時のオプションとしては、スモール/グループターゲットのほか、より小さな被写体へのピント合わせに利用できる「スーパースポット」が新たに用意された。なお、マイクロフォーサーズ規格のレンズを装着した状態で被写体追尾AF(C-AF)を選択すると、像面位相差/コントラストAFの併用モードとなる。これによって被写体への追従性が向上し、かつ、最大6.5コマ/秒の連写が可能となっている。

 OM-Dの特徴でもあるファインダーも大きく進化した。液晶パネルの解像度は236万画素と高精細で、ファインダー倍率も35ミリ換算0.74倍とフルサイズ機に匹敵する値となっている。表示タイムラグも約0.029秒と高速だ。バックライトの自動輝度調整機能を搭載することでOVFに近い感覚を提供するほか、30段階の色相調整と8段階の彩度調整をリアルタイムに行いEVFから確認できる新機能「カラークリエーター」、HDR撮影時にはダイナミックレンジを拡大した映像をプレビュー表示できるなど、EVFならではの機能も搭載されている。

 画像処理エンジン「TruePic」は「TruePicVII」へと進化した。新センサーとの組合わせもあり従来機では高感度撮影時に発生した色ヌケを改善したほか、さらになる低ノイズ化も進めた。画像処理技術「ファインディテール処理」も「ファインディテールII」への進化し、レンズごとに異なる倍率色収差を自動的に行うほか、レンズ/絞り値に応じたシャープネス処理も施すことで高い解像感を実現する。

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 5軸のボディ内手ブレ補正はOM-D E-M5から継承し、シャッター4段分(CIPA基準)の補正効果を発揮する。また、新たな制御アルゴリズムの導入によってOM-D E-M5に比べて低速シャッター時の手ブレ補正効果が高くなっている。流し撮りに対しても補正方向を自動補正する「IS-AUTO」も搭載する。シャッタースピードは最速1/8000秒。

 ボディはマグネシウム合金製で各所にシーリングを施されており、防じん、防滴、−10度での動作を保証する耐低温性能も兼ね備える。Wi-Fi機能も搭載しており、スマートフォンアプリ「OLYMPUS Image Share」を利用すれば撮影画像転送のほか、スマートフォンからのリモート操作なども行える。

 そのほか同社独自の表現手段である「アートフィルター」「フォトストーリー」も引き続き搭載。アートフィルターには新たに左右にぼかしを発生させる「ジオラマII」が追加された。HDRについてもダイナミックレンジを拡大する「HDR1」と強く強調することで絵画のような写真とする「HDR2」の2つを利用できる。

 背面液晶は上下可動のチルト式(3型/104万画素)でタッチパネル対応。本体サイズは130.4(幅)×93.5(高さ)×63.1(奥行き)、約497グラム(付属充電池およびメモリカード含む)だ。

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