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使い勝手が向上した100グラムの超小型デジカメ ニコン「COOLPIX S02」

» 2013年10月03日 09時44分 公開
[佐藤眞宏,ITmedia]
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 ニコンが2012年秋に発売した超小型デジカメ「COOLPIX S01」は、他に類を見ない小ささで注目された製品。どうやら市場からの反応も良好だったようで、この度、後継モデルの「COOLPIX S02」が登場する運びとなった。

photo 「COOLPIX S02」

 後継製品ということもあり、基本的なデザインに変更はない。石けん箱あるいはジュエリーボックスのようなつるんとしたボディにタッチパネル液晶を搭載しており、ボタン類はズームレバーと一体型しているシャッターボタンと電源、再生ボタンのみ。外観としてはほぼS01と同じだが、電源ボタンはわずかに大型化、液晶サイズも2.5型から2.7型へサイズアップしている。

 ボディサイズは約77.1(幅)×51.3(高さ)×17.5(奥行き)ミリ 約100グラムとS01とほぼ変わらず。S01は77(幅)×51.2(高さ)×17.2(奥行き)ミリ、約96グラムなので厳密に言えば大きく・重くなっているが、その差はわずかであり、手にした感じでいえばほぼ変わらないと言っていい。

 撮像素子はS01の1/2.9型 有効1014万画素CCDから1/3.1型 有効1317万画素CMOSに変更されている。CCDからCMOSへの変更に伴い、連写合成でノイズを低減する「手持ち夜景」、同じく連写合成でダイナミックレンジを拡大する「逆光HDR」が撮影モードに追加された。なおレンズの「光学3倍」はS01と同じだが、焦点距離はセンサーサイズがわずかに小型化したためか、35ミリ換算29〜87ミリ相当から30〜90ミリ相当とややテレ側にシフトしている。

photo 「手持ち夜景」にて撮影
photo 「ミラー」適用

 画像エフェクトはS01に用意されていたノスタルジックセピア/硬調モノクローム/ハイキー/ローキーのほか「ミラー」が加わり全5種類となっている。S01では撮影時と撮影後で適用できるエフェクトに違いがあったが、新製品では撮影時適用のみとなり、シンプルに使えるようになった。撮影操作は大振りなアイコン(1画面に4つだけが表示される)をタップしていくスタイル。こちらもS01を踏襲している。反応は機敏で、利用に際してストレスを感じることはないだろう。

photo 「硬調モノクローム」適用

 メカ的にはセンサー変更が最大のトピックだが、「電源OFFでも撮影設定が保存される」のが後継モデル最大の変更といえる。前モデルのS01では電源をOFFにすると撮影設定がすべてデフォルトに戻ってしまい、フィルタ適用やストロボ発光の有無など、直前まで使っていた撮影の設定がリセットされていた。これが改善されている。

 また、任意の撮影設定(セルフタイマー/フラッシュ/シーン選択/露出補正/画像モード/タッチ撮影/スペシャルエフェクトを「マイメニュー」として撮影画面の画面左下から呼び出すことも可能となった。もちろんこのマイメニューも、電源をOFFにしたあとでも保存される。

photophoto 撮影メニューはシンプル(写真=左)、「マイメニュー」には7項目から任意の1項目を選択できる

 メモリカードスロットはなく約7.3Gバイトの内蔵メモリのみ、バッテリーも内蔵式で取り外しできない仕様も前モデルと同様。内蔵バッテリーでの撮影可能枚数は約210枚(CIPA基準)とS01の約190枚(同基準)から向上している。なお、動画についても新たにフルHDでの撮影に対応している。

photo
photo 露出補正+2
photo 露出補正−1

photo 「HOME」で呼び出されるメニュー。大きなアイコンで表示されており分かりやすい

 基本的には操作インタフェースやサイズなどからしてフルオートでの使用が前提となるモデルであり、カスタマイズする余地がありすぎると利用者を混乱させる可能性はあるが、マイメニューの採用でほどよく操作性が向上しており、また、手持ち夜景やフルHD動画撮影機能の搭載など昨今のコンデジに求められる機能も十分に満たしている。

 カラーバリエーションがミラーシルバー、ホワイト、ピンクの3色とS01の5色から減ってしまったのはちょっと残念だが、“とにかく小さいカメラ”としての存在感が際だっていたS01の後継製品として十分、期待に応える製品といえる。

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