ITmedia NEWS >

α7は戦略的フルサイズ ―― ソニー「α7」発表会

» 2013年10月16日 20時47分 公開
[ITmedia]

 既報の通り、ソニーは10月16日、フルサイズのミラーレスカメラ「α7R」「α7」を発表した。

photo

 いずれもレンズマウントにEマウントを採用したミラーレスカメラで、2モデルの仕様は多くを共通するが、α7はスタンダードモデル、α7Rはα7をベースに解像力を重視したモデルと位置づけられており、撮像素子の画素数やAF仕様などに違いがある。位置づけの違いからα7はボディ及びズームレンズキットが用意されるのに対し、α7Rはボディのみと販売形態にも違いがある。

 スマートフォンの影響で普及価格帯コンパクトデジカメと家庭用ビデオカメラが伸び悩む中、同社ではデジタル一眼レフとミラーレスカメラ、くわえて高級志向および高倍率ズームカメラを成長セグメントと見なし、なかでもミラーレスカメラは今度も高い伸びを期待できるとして、カメラへ興味のある人すべてへ向け、「世界最小・最軽量・フルサイズ」としてα7を訴求する。

photo
photo

 多くのユーザーへ訴求するために値付けも大胆な設定とした。価格はオープン価格だがスタンダードモデルの「α7」はレンズキットで18万円前後と、他社デジタル一眼レフの中級機と同レベルに据えた(同社直販サイトでの販売価格は17万9800円)。「フルサイズ機としては戦略的な価格付けをさせていただいた」(ソニーマーケティング デジタルイメージングマーケティング部 統括部長 伊藤秀樹氏)

 同社はレンズ交換式の国内マーケットは2013年に220万台まで成長すると予測、そのうちミラーレスは44%をしめると予測しており、新製品の投入を持って、そのなかでの存在感を示したい考えだ。

 単に小型軽量な低価格フルサイズ機を投入するだけではなく、レンズも豊富に用意する。フルサイズ対応Eマウントレンズとして「FEレンズ」を新たに5本用意するほか、カールツァイスのクリスチャン・バナート氏(Consumer and Professional Division General Manager)からは2014年にフルサイズ対応Eマウントレンズが同社より投入されることが明かされた。

photo α7とあわせて発表されたFEレンズシリーズ
photo 対応製品の投入を発表するカールツァイスのクリスチャン・バナート氏

 同社デジタルイメージング事業本部 本部長の石塚茂樹氏はFEレンズとあわせて新製品のフルサイズ対応マウントアダプター「LA-EA4」を紹介、既存のαマウントレンズ(Aマウント)を含めての「α」であり、レンズ資産は新ボディの投入でもそのままの価値を持つと強調した。なお、今秋より同社のレンズ交換式デジタルカメラの名称はすべて「α」で統一されることとなる。

photophoto α7にマウントアダプターを介してAマウントレンズを装着する石塚氏(写真=左)、A/Eあわせてると54本のレンズが用意されることになる(写真=右)

 ブランド統一されすべてが「α」となる同社レンズ交換式カメラだが、発展の方向性としては「Eマウントカメラは小型軽量」「Aマウントはレスポンス」と既存の方向性を維持することが語られ、加えて、映像(動画)およびプロ向け領域(プロカメラマンを対象とした会員制サポートプログラムを2014年4月開始)への働きかけも積極的に勧めていくとした。

photo 2014年4月1日(予定)よりプロカメラマンへのサポートプログラム「ソニー・イメージング・プロ・サポート」を開始する。
iconicon

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.