最後は夜の写真編。
5sの方がノイズが少なくてハイライト部も締まっていてきれい、と思ってよく見たら、5sはISO100で1/30秒、Z1はISO400で1/125秒とZ1の方が感度が上がっているせいなのだった。1/125秒なんてシチュエーション的に不要なシャッタースピードになったのは道路を走っている車を認識してしまったせいかもしれない。
でもまあ、全体として、Z1の方がシャッタースピードが速めになる(ISO感度が上がりやすい)傾向がある。クオリティー的にはノイズが出やすいが、ぶれにくくなるのはありがたい。
もっと暗いシーンに挑戦。夜の清掃工場煙突ですな。これは暗い。
どちらも感度がぐっと上がり、ノイズが増えている。
5sが意外に頑張ってる印象だが、よく見ると、Z1はピントが微妙にずれておりました。撮ったときに気づかなくてもうしわけない。Z1は夜景時にピントを外すことがけっこう多いので、気を付けていたのだが、このケースでは見逃してしまったらしい。
Z1は「手持ち夜景」機能を持ってる。同じシーンで、手持ち夜景モードでもとってみた。こちらはノイズが少なく、ディテールもけっこう出てていい感じだ。
さて、だらだらと比較写真ばかりのっけてきたので、最後にZ1単体の写真を何点か。
で、iPhone5sと比較しながら撮ってみた感想です。Z1は優秀な8Mカメラである……といっちゃうとミモフタもないけど、2070万画素を8Mで撮ったものは、ディテールがすごくしっかりしていてよい。晴天下で遠景を撮ると特に差が出る。
残念なのは、暗い場所でAFを外すケースが多かったこと。基本撮影モードである「プレミアムおまかせオート」時の縦横比を16:9にしちゃったのも疑問。それはそれでいい気もするが、スマホでは縦位置で撮影したり、Instagramなど「正方形フォーマット」が多く使われる現状を鑑みると16:9は使いづらい。
ほかに気になったのはシャッタータイムラグ。Z1のAF自体は遅くないんだけど、撮影のたび、必ずAF動作が入るので、その分タイムラグが発生するのだ。タッチAFで「ここ」と指定するとそこにいったんピントを合わせるのだが、カメラボタンを押すと再度ピントを合わせ直してから撮影する。だから撮影のタイミングを計りづらい。
サイドにあるカメラキーは半押しによるAFロックが効くのでタイミングが重要なときはそっちを使うべきだろう。
で、結果としてiPhone5sとどっちがいいか、なんていう難しいことは聞かないでください。ディテールの描写力ではZ1が圧勝なんだけど、それ以外はさほど差がなく、シーンによって5sの方がよかったり、Z1の方がよかったりしたので一概には言えない。レビューする前はZ1が圧勝するかなと思ったけど、いざ使ってみるとそれほどの差はなかったというのが正直なところ。
いずれにせよ、1/2.3型撮像素子を搭載した普及型コンデジはますます厳しいですな、というのはいえそうです。
では次回はZ1ならではのユニークな撮影機能についてあれこれ探ってみます。
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