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カシオ「EX-10」は“好画質”を簡単に撮れるカメラを目指した

» 2013年11月14日 17時04分 公開
[ITmedia]

 「ある意味、9眼」

 カシオ計算機が発表したコンパクトデジタルカメラ「EX-10」は、このキャッチフレーズを伴って市場に投入される。EX-10は1/1.7型のセンサーにF1.8からの明るいレンズを搭載するが、最大の特徴は1ショットで最大9枚の仕上がりが異なる写真を撮影できる「プレミアムブラケティング」機能だ。

photo カシオ計算機「EX-10」

 このプレミアムブラケティングは単一のパラメータ(露出や絞り値など)を増減させるにとどまらず、2つのパラメータを変化させながらの撮影を行うことで、1シャッターでさまざまな表現を可能とする。例えば「ホワイトバランス×明るさ」の場合、ホワイトバランスを3パターンと明るさを3パターンと、同一被写体に対して1シャッターで9枚の設定値の異なる写真を撮影する。

 ブラケティング自体は珍しい機能ではないが、1シャッターで最大9枚の仕上がりの異なる写真を撮影することから、カメラの知識が少なくても、カメラの撮影機能を活用した写真撮影を楽しめる。さらに言えば、デジタルフィルターのようなデジタル処理ではなく、あくまでも写真としての仕上がりが異なる複数の写真を同時に・簡単に撮れるというのが面白いところで、写真に興味がありながら、操作や専門用語などにハードルの高さを感じていた層を取り込める製品とも言える。

photo 「ホワイトバランス×明るさ」のブラケット撮影
photo EX-10のポジショニングマップ 操作性(分かりやすさ)を既存EXILIMシリーズ同様に維持しながら、表現の多彩さをプラスしたモデルとして位置づけられている

 コンパクトデジタルカメラの市場低迷が続く中ではあるが、同社では「コンパクトを極めるという意志は変わらず、その思いはブレてない」(同社執行役員 QV事業部長 中山仁 氏)とあくまでも、コンパクトデジカメという形態にこだわる姿勢を見せる。

 そこで投入されるEX-10だが、比較的大型のセンサーに明るいレンズを搭載しながら、「既存のいわゆる高級コンパクトのポジションを狙うものではない」と中山氏はそのポジションを説明する。いわゆる高級コンパクトの製品は使用者に写真およびカメラの知識を要求する製品が多いが、新製品はカメラの知識がなくとも、ワンシャッターで驚きのある写真を撮れると主張する。

 加えて中山氏は「高画質ではなく、撮影者の好む写真“好画質”を簡単に撮れるカメラ」とも新製品を表現し、カメラに詳しくない撮影者でも、簡単に撮影時の意図を反映でき、なおかつ、意図を超える驚きを提供するカメラ作りに腐心したとも述べた。

photophoto 製品発表会には俳優の哀川翔さんも参加、各地のゆるキャラがEX-10で撮影した写真を講評したほか、自身の撮影した写真も披露した

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