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飛びついても損なし! フルサイズミラーレス「α7」に迫る(2/5 ページ)

» 2013年11月19日 10時37分 公開
[荻窪圭,ITmedia]

小さいがダイヤルは豊富で使いやすい

 α7には無印の「α7」と「α7R」の2モデルがあり、デザインは同じだが中身が違う。α7は有効2430万画素で像面位相差AF対応の撮像素子を搭載しており、α900のミラーレス版という感じ。対してα7Rは有効3640万画素と高画素なものを採用しており、ローパスフィルターなし。像面位相差AFなし。高画素な分、価格も高い。

 スペック面で見る限り、カジュアルにフルサイズミラーレスを楽しむなら像面位相差AFも使えて画素数的にも多すぎないα7を、さまざまなレンズを駆使してじっくり高画質な写真を撮りたいならα7Rをというのが基本的なところか。

 今回使ってみたのはα7。レンズはキットレンズの「FE 28-70mm F3.5-5.6 OSS」(SEL2870)。フルサイズ対応のレンズのためやや大ぶりではあるがα7のボディに似合ってなかなか軽量で、携帯性はよい。ISO感度は最高25600。他のソニーのカメラ同様、ISO感度をマルチショットNRにすると、4枚を連写合成してノイズが少ない画像を合成してくれる。

photo 上面から操作部を。前後のダイヤルと露出補正ダイヤルが特徴。前ダイヤルはグリップの上についている。
photo シャッターボタンのストロークはやや深め。シャッター音はちょっと大きい
photo SDカードは背面側から奥に差し込むというデザイン。録画ボタンがほぼ側面にある。モニタはチルト式だがタッチパネルはない。アイピースが少し後ろに飛び出てるのでモニタを真上に向けたときちょっと影になるのが残念

 では使ってみる。

 EVFと背面モニタは自動切り替え式。EVFは従来比3倍のコントラストという。もうちょっと明るいとうれしいけど、大きさ・見やすさともに問題はなし。快適に使える。背面モニタは外光反射を抑えたとはいえ、デフォルトの明るさはさほどでもなく、昼間の屋外ではモニタを「屋外晴天」モードにしたい。そうすると見やすさは格段に上昇して快適に使えるが、バッテリの消費が増える。悩ましいところだ。

 背面モニタは上下にチルトする方式で(この辺は、NEXシリーズを継承している)普段はEVFで、ローアングル&ハイアングルや、ラフに撮りたいときは背面液晶でと使い分けられるのは快適。タッチパネルは非搭載。タッチAFは便利だと思うが、残念なところだ。

 EVFメインで使うとき便利なのがディスプレイ表示の「クイックナビプロ」モード。露出値以外にも電子水準器やヒストグラムもまとめて表示されるので、必要な撮影情報を瞬時にチェックできる。さらにFnキーを使ってパラメーターの変更もできる。

photo EVFは精細で見やすいがもうちょっと明るくてもよかったかと
photo 「クイックナビプロ」モードの表示
photo 背面から。モニタの右側はけっこう余裕がある構成で、AF/MFとAELの切り替えレバー、十字キーを兼ねたホイールなどがこちらに。MENUは左上

 操作系はかなりの充実っぷり。

 ボディは小型ながら、前後2つの電子ダイヤルと背面のコントロールホイールという3ダイヤル体制で、その上、独立した露出補正ダイヤルがある。絞り優先AEにした場合、絞りと露出補正とISO感度で3つつかってさらにひとつ余るというぜいたくさ(ちなみに、このケースでは前後ダイヤルがどちらも絞り値になる)。

photophoto ダイヤルを回して絞り値を動かすと画面にこのように表示が出る(写真=左)、Fnキーメニュー。けっこうカスタマイズしてあります。Fnキーの項目は前ダイヤルと後ろダイヤルでさっと変えられる。この場合はAFモードを前ダイヤルで、スポットサイズを後ろダイヤルで変更する(写真=右)

 さらに「C1」から「C3」とカスタマイズできるボタンが3つ。AELボタンにはAF/MFとAELを切り替えるレバーがついており、AF/MF側に倒しておくと、ボタンを押すことでMFモードになる。ワンボタンでMFになるのは実はすごく便利。AFだとピントが合いづらいシーンや、フルサイズセンサーな分、被写界深度が浅いためMFでピシッ追い込みたいと思うケースは多いから。

 そういう意味で、AFもマルチAFよりはフレキシブルスポットAFで狙ったところに合わせたい。スポットAFのサイズはS/M/Lから選べるので、ピンポイントで合わせたいときはSサイズを選ぶといい。

photophoto AFスポットも十字キーのほか、前後のダイヤルでも位置を変えられるので慣れるとグリップしたままさっと変更可能(写真=左)、Fnメニューの項目は12個すべてカスタマイズ可能なのがよい(写真=右)

 被写界深度が浅いからちょっとしたズレでピントの山が変わるのだ。顔検出も、特に明るいレンズを使うと「前髪にピントが合って目に合わない」というミスが発生しがちなので、人を撮ることが多いなら、瞳AFをカスタムキーに割り当ててすぐ呼び出せるようにするのがよいかと思う。

photo 顔検出のみで撮影したら前髪にあっちゃった例。オートフレーミング機能で顔部分をトリミングしたものなので、等倍で見るとちょっとディテールは荒れてますがご容赦を

 Fnメニューはすべてカスタマイズ可能。カスタムキーで足りなかった分は全部ここに入れちゃうといい。必要な機能を把握してうまくカスタマイズすればα7の使い勝手はぐんと上がる。

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