オリンパスの新しいミラーレスカメラ「OLYMPUS OM-D E-M10」を使ってみた。2012年発売のシリーズ第1弾「E-M5」から基本デザインを受け継ぎつつ、防じん防滴性能を省くことで、より求めやすい価格を実現したモデルである。
個人的にはE-M5のユーザーでもあるので、E-M10の操作に戸惑うことはなかった。ダイヤルやボタンの配置はほぼ同じであり、メニューの周りの操作系も継承されている。進化したのは、ポップアップ式のフラッシュを内蔵したことと、星の軌跡などを簡単に撮れるライブコンポジット機能を新搭載したこと。どちらも結構うらやましく感じる。
さらに、防じん防滴を省いたことでボタンのクリック感が向上したことや、液晶の発色がいっそうクリアになったこと、液晶のチルト可動中はアイセンサーの働きがキャンセルされるようになったこと、好きな設定をモードダイヤルに割り当て可能になったことなど、機能や操作の細かい部分にさまざまな改良が施されている。
今回の試用では、E-M10と同時発表されたレンズやアクセサリーも使ってみた。中でも気に入ったのは、新しいボディーキャップレンズ「BCL-0980」だ。魚眼効果を気軽に楽しめる超薄型軽量のレンズである。
レンズの全長は12.8ミリ、重量はわずか30グラム。AFは非搭載で、ピント合わせはレンズ下部のレバー操作で行う。絞りはF8固定。レバーをパンフォーカスの位置にセットすると、近景から遠景までの広範囲にピントが合うようになる。
焦点距離は9ミリで、画角は140度となる。ほかの一般的な魚眼レンズに比べると画角はやや狭いが、それでも標準ズームに比べればずっと広い範囲が写る。その上で、風景が丸く歪んで写る魚眼効果が味わえる。描写性能は見ての通り。周辺部はにじんだようなソフトな写りになるが、中央部の解像は思いのほか良好だ。
そもそも魚眼レンズは特殊なレンズであり、多くの人にとって使用頻度はあまり高くないはず。せっかく購入しても使ったのは最初だけで、その後はほとんど持ち出していない、という人もいるだろう。しかし、ときどき魚眼で撮りたいと感じる被写体に出会うことがある。そんな、ときどきのケースに備えてカバンの中に常に入れておけることが、このフィッシュアイボディーキャップレンズ BCL-0980のいちばんの魅力といっていい。
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