インタビュー
» 2014年03月27日 10時30分 UPDATE

誰も“普通”とは言わなかった シグマに聞く新「SIGMA dp」(後編) (1/2)

新Foveon X3センサー“Quattro”搭載のシグマ「SIGMA dp」について訪ねるインタビュー後編。今回は「dp2 Quattro」そのものについて聞く。果たして撮りやすいのか、操作は機敏か、“難しい”カメラなのか。

[荻窪圭,三井公一(人物撮影),ITmedia]

 シグマが2014年のCP+で展示して話題になった「SIGMA dp2 Quattro」。センサーが新しくなった、といわれてもレンズ一体型なのでセンサーを直接見ることはできず、製品が完成してない現在、ぱっと見で何がすごいのか分からないのが難点だったが(その辺は、前編で詳しく聞いてきました)、カメラの外観は誰が見ても分かる。dp2 Quattroの形状はヘンである。というかユニークである。

 使いやすいのか使いにくいのか、見ただけじゃまったく分からないのがミソで、とりあえず触ってみたいという人がCP+のシグマブースで行列を作ったほどだ。わたしもCP+会場で触ってみたけど、なるほどすごく面白い。右手のグリップの位置さえ決まれば、持った感じはいい。

 とりあえず普通じゃないのは確かだ。

photo 2月に行われたCP+のシグマブースに展示されていた「SIGMA dp2 Quattro」

 その前にdpシリーズの基本を確認。dpはFoveonセンサーを搭載した単焦点コンパクトカメラのシリーズ。はじめに28ミリ相当の広角レンズを搭載した「DP1」が登場し、続いて、40ミリ相当の標準レンズを搭載した「DP2」、メリルの時代になって、マクロ撮影が可能な75ミリ相当のレンズを搭載した「DP3」が出て三兄弟となった。どれもボディは同じで、レンズだけが異なる。

 APS-CサイズのFoveonセンサーを搭載しながらボディがコンパクトで、かつレンズ一体型ならではのハイクオリティな画質を得られるとあり、Foveon好きな人にはDP1〜3の3台すべてを所有する人がいるほど。レンズ交換式ならぬ、カメラごと交換式、的な感じだ。今回のクアトロでは「dp2」が最初に登場する。

 後編ではdp2 Quattroについて、アレコレ聞いてみるのである。お相手は引き続き、同社マーケティング部の桑山輝明氏だ。

photo シグマ マーケティング部 桑山輝明氏

普通じゃない形を味わいに多くの人が訪れた

荻窪: いよいよdp2 Quattroの話を伺います。CP+ではかなり評判になりましたが。

桑山氏: Webページで製品画像を見て、実際はどんな形なんだろう、どんな持ち方になるのだろうと興味を持って来場された方が多かったですね。試作機を試していただいたお客様にはおおむね好評のようでしたが“残念”と感じたのが、ひとり3分くらいしか触っていただく時間がとれなかったことです。短時間で自分の持ち方を見つけられた人には好感触でした。

photo CP+のシグマブース

 弊社の山木(社長)もCP+のトークショーの中で「使えば使うほどなじんできます。最初は違和感を覚えるかと思いますが、2、3日使っていただくと良さが分かってきます」と話しています。なお、来場した方で、dp2 Quattroを「普通の形だ」という人はいませんでした(笑)。

荻窪: 今までのDPシリーズは中味こそすごく個性的だったのに、カメラのデザインが昔ながらの四角いデザインでした。今度のdp2 Quattroは見た目も斬新で、これはコンセプトモデルなんじゃないの? という人もいたほどです。

桑山氏: 弊社は2012年9月にシグマの新たなビジョン「シグマグローバルビジョン」を示す、まったく新しい考え方に基づく3つのプロダクト・ラインを発表しました。新しくラインナップしている「Art」「Contemporary」「Sports」の各ラインのレンズはすべて同じコンセプトで開発しています。今度のSIGMA dp2 Quattroもそのコンセプトに基づき開発しました。

荻窪: あのスリムで横に長いデザインはどこから出てきたのでしょう?

桑山氏: 私たちからすれば、決して奇をてらったわけではなく、なるべくしてなりました。しっかりホールドして撮るカメラを作ろうと考え、しっかりと右手でグリップして、左手でレンズをホールドしてきちっと写真を撮る事を意図したフォルムになっています。ホールディングも含め、機能主義のかたまりなんです。

 まず、ひとつはイメージセンサーを熱源から遠ざけたかった事があります。熱を発生するものがセンサーの近くにあるのは画質に影響しますから。そこで基板を見直しました。メリルはメイン基板を2枚使っていたのですが、クアトロでは1枚に集約しました。そのため、ボディが大きくなってしまいますが、どう大きくするか。

 例えば、上に伸ばして正方形にするという事も考えられましたが、撮像素子から熱源部を離すことと、大きな基板を無理なく収めるために横に広げました。

photo

荻窪: なるほど。基板を1枚にして横に長くしたからボディが薄くスリムになったわけですね。そしてバッテリー無理なく収める為に、グリップのところに入るようになったということですね。

桑山氏: そうです。カメラとしてこうあるべきだ、という考えをあてはめていったらこの形になったのです。ボディの薄型化は基板が1枚になったこともありますが、もうひとつ要因があります。メリルはボディ側にレンズ駆動用モーターを設けていましたが、dpクアトロではレンズ側にモーターを入れました。そのためレンズ部が太くなりましたが、ボディがスリムになったのです。

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