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コンティニアスAFで味わう“爆速”AFに感動! ソニー「α6000」(1/4 ページ)

» 2014年04月08日 11時13分 公開
[荻窪圭,ITmedia]

 ソニーのミラーレス一眼「NEX」は今後「α」に統一される、となったのが2013年秋。後継機から「αxxxx」って名前になるのだろうなと思っていたわけだが、それがいよいよ登場した。

photo ソメイヨシノと「α6000」

 「α5000」と今回紹介する「α6000」である。ネーミング的に前者はNEX-5の、後者はNEX-6の後継機に思えるが、触った感じでは前者はNEX-3系、後者はNEX-6系の新製品だ。従来のNEXシリーズを知っている人はそれを頭にいれておくと分かりやすい。

 で、α6000である。NEX-6系らしく、左肩にEVFを搭載したミラーレス一眼。NEXの伝統でもあった「チルト式モニタ」は健在で、イメージセンサーはAPS-Cサイズ。もちろん従来のNEX用レンズ(Eマウントレンズ)をそのまま使える。

 見た目的にはNEX-6とあまり変わらないように思えるし、確かにそう極端に変わったところはないのだが、ひとつだけ、これはすごいといえる進化がある。AFである。

 α6000といえば、超高速AF。とにかく速い。コンティニアスAFにしとけばもう、今までのミラーレス機はなんだったんだってくらいピントを合わせ続けてくれる。α6000といえばAF。そう覚えておけばよし。

photophoto 上面がフラットですっきりしたボディの「α6000」。キットレンズは電動ズームで自動的に沈胴していたレンズが繰り出される。このサイズながらストロボも内蔵している

高速AFを味わうなら、AF-Cを試すべし

 α6000が搭載するAPS-Cサイズセンサー(23.5×15.6ミリ)の画素数は約2430万画素と、APS-Cサイズとしては高画素な部類となる。像面位相差AFセンサーの内蔵はNEX-6と同じだが、2つの点で異なる。

photo レンズを外して正面から

 ひとつは位相差センサーの範囲。NEX-6は撮像素子中央部を中心に99点のAF測拠点を持っていた。α6000はそれが179点に増え、さらに撮像素子のほぼ全域(周辺部以外は全部)にセンサーをまんべんなく並べた。画素数を増やしながら像面位相差センサーも増やすという大胆なイメージセンサーなのである。

 もうひとつはAFの方式。NEX-6は像面位相差センサーを搭載しながら、位相差センサーでだいたいの位置を合わせてから従来のコントラスト検出AFで微調整していた。だから、AFが速くはあったものの、爆速の域には遠かった。

 今回は像面位相差センサーのみでもAFを行うのである。正しくは、像面位相差センサーのみで行う場合と、コントラスト検出AFを併用する場合を自動的に選択してくれる。速いのはもちろん像面位相差センサー時で、発表資料によると(APS-Cセンサー搭載デジタル一眼カメラとして)世界最速の0.06秒なんだそうな。

 今まで超高速AFミラーレスといえばNikon 1だったが、α6000もその域に近づいてきたのである。ミラーレス機最速AFかどうかはNikon 1、特に最新のV3と撮り比べてみないと分からないけれど、素晴らしいのは確か。

 ただ、α6000を普通に使っていては、いまひとつ爆速感を味わえない。特にS-AF(シャッター半押しでフォーカスを固定するシングルAF)時は、ちょっと速くなったかな、というくらい。

 そういうときはC-AF(コンティニアスAF。被写体にピントを合わせ続ける)モードに切り替えるとよい。どのAFセンサーが反応しているか表示され、それがちょこまかと動き回りつつ、決してピントは外さないところが妙に楽しい。

photo AF-Sモードだと従来同様、大きなAF枠が出る。
photo フォーカスモード切り替え。AF-AはAF-SとAF-Cの自動切り替え。AF-SはシングルAF。AF-CはコンティニアスAF。DMFは半押しでAFを働かせたあとフォーカスリングでMFを行える機能

photo AF-Cモードにするとカメラが判断したAFポイントが表示される(緑の小さな枠)。これがちょこまかと動き回って楽しい

 さらにセンターキーを押すと、ロックオンAFモードになる。

photo メインの被写体を中心に置いて覚えさせると追いかけてくれる

 いろんなAFモードを試してみたが、AF-Cが一番α6000らしくて面白いかと思う。普段はAF-Cにしておいて、狙った被写体を追ってくれないと思ったら、他のAFモードにすればOK。

 では実際にAF-Cモードで合わせ続けてくれるのか。

 それがけっこういけます。

photo 走ってくる電車に対してAF-Cで連写
photo 歩いてくる猫に対してAF-Cで連写。猫が途中で立ち止まってしまったのが残念。チルト式モニタを使い、猫目線で撮ってみた

 コントラスト検出AFと違い、AFが迷わないのでピントを外したカットがないし、一眼レフの位相差AFに比べると(AF測距点を大量に積んだ上位機を除く)AF測距点が非常に多いのもいい。

 連写は速度「Hi」で最高秒11コマ。「Mid」でも秒6コマ。もちろんAF追従でこの速さだ。この快適なコンティニアスAFと快適な連写速度を味わうと、望遠レンズを付けて動きものを撮りたくなる(今回、望遠レンズが用意できなかったので断念)。AFに関しては一皮剥けたといってよさそうだ。

 それ以外の基本撮影機能についてもちょっと。

 シャッタースピードは最高1/4000秒。ISO感度は最高ISO25600。それ以外は従来のNEXを継承したソニーらしい機能満載だ。ならではの「マルチショットISO」(要するに複数枚連写して合成することでノイズを減らす技術)を使えばかなり暗い場所でもイケるし、ダイナミックレンジ拡張はDRO(ダイナミックレンジオプティマイザ)もHDRも使える。得意のスイングパノラマも健在。

 デジタルフィルター系のピクチャーエフェクトは独立した撮影モードを持たず、どの撮影モードでもかけることができる。

 とまあそんな感じだ。

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