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言葉としては知っていてもちょっと分かりにくい写真用語の感覚的な理解に挑んでみる(1/5 ページ)

» 2014年04月14日 13時00分 公開
[野村シンヤ,ITmedia]

「ブラケティング」を活用して、イメージをつかむ

 カメラの「ブラケット」という機能、意外と便利なんだが、あまり知られていなかったりもする。

 どういうものかと言うと、一回のシャッターで、設定を変えた何枚かの写真を撮るというもので、例えば露出のブラケティングなら、カメラが適正と判断した通常の露出に加え、明るくしたもの、暗くしたものをそれぞれ撮影してくれる。

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photo 露出ブラケット撮影の例。上から適正露出、露出オーバー、露出アンダー

 自分のイメージ通りに撮る。これがなかなか難しく、カメラに慣れている人ならばとにかく、普段オートでとることが多い人にとっては、露出や絞り、シャッタースピード、ホワイトバランスなど、さまざまなカメラの設定の「どれをどの程度変えると、イメージした写真に近づくか」というのを感覚的に理解するのは、かなり難しい。

 そこでカシオはさまざまな組み合わせのブラケティング機能を用意することで、デジタルフィルターのようなデジタル処理ではなく、あくまでも写真としての仕上がりが異なる複数の写真を簡単に撮れる機能を用意した。その機能が“EXILIM ”「EX-100」「EX-10」に搭載されている。

photo カシオ計算機「EX-100」 35ミリ換算28〜300ミリ相当/全域F2.8の明るい望遠ズームレンズを搭載している

 「プレミアムブラケティング」と名付けられたこの機能は、通常のブラケット機能は1つの要素で設定を変えたものを撮る(露出でいえば、適正、オーバー、アンダー)ところを、2つ(露出×ホワイトバランスなど)組み合わせることで、一度に9枚の違った写真を撮れる。設定ひとつつ変えただけでも写真は変わるのだが、さらにもうひとつ加えることで、自分がイメージしていなかった、まったく別物に仕上がるという楽しみもある。

 今回はEX-100のブラケット機能を使って、絞りやホワイトバランス、シャッタースピードなど、「写真としての設定」によってどのように写りが変化するのかをいろいろ試してみた。

「EX-100」のブラケティング撮影

 EX-100のブラケティング撮影機能は「オート」と「マニュアル」の2つが用意されている。オートはあらかじめ代表的な撮影パラメータの組み合わせを用意したもの。細かな設定はできない。マニュアルは各パラメータの設定値を手動で調整することができるモード。1軸ブラケティングが9種類、2軸ブラケティングが7種類に対応している。

photophoto モードダイヤルを「BKT」にしてブラケティングモードにしたら、SETボタンで表示される設定メニューの一番下に「BKT」という項目が表示されるので、ここから設定を変更する

 それぞれの設定と操作できるパラメーターは以下の通りだ。

設定 操作できるパラメータ
オート1:フォーカス×絞り ピント位置とボケ具合(被写界深度)を変えて撮影する
オート2:ホワイトバランス×明るさ さまざまな光源に合った色味と明るさを調整して撮影する
オート3:コントラスト×彩度 白とびや黒つぶれを抑えたり、メリハリのある画像、もしくはソフトな感じに仕上げることができる。
オート4:シャッタースピード 被写体ブレや背景ブレを生かした、動きのある写真を撮ることができる。
1軸ブラケティング 「明るさ(EV)」、「ホワイトバランス」、「フォーカス」、「絞り」、「シャッタースピード」、「ISO 1(明るさ固定)」、「ISO 2(絞り・シャッタースピード固定)」、「彩度」、「コントラスト」
2軸ブラケティング 「フォーカス×絞り」、「ホワイトバランス×明るさ」、「ホワイトバランス×彩度」、「ホワイトバランス×コントラスト」、「コントラスト×彩度」、「彩度×明るさ」、「コントラスト×明るさ」
photophoto マニュアルブラケティングにした場合は、どの程度ブラケティング撮影した際に差をつけるかを設定できる
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photophoto ブラケティング撮影された写真はそれぞれひも付けされているので、再生する際は一枚のカテゴリの中から選んで表示する。写真にはそれぞれ設定数値が表示される
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