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「Inspiron 17 5000」――“外部GPU+アドビソフト”のお手ごろ大画面クリエイティブノートを試す最新PC速攻レビュー(1/2 ページ)

» 2014年05月20日 18時30分 公開
[鈴木雅暢,ITmedia]
ココが「○」
・17.3型ワイドの大画面
・大画面ながらスリムボディ
・アドビの写真/動画編集ソフト
ココが「×」
・液晶の上下視野角が狭い
・USB 3.0が1基のみ
・ストレージがHDDのみ

はじめに:クリエイティブな個人ユーザー向けのグラフィックス重視PC

デル「Inspiron 17 5000」

 デルが5月13日に発売した「Inspiron 17 5000」は、「Dell Graphics Pro」シリーズの新製品で、17.3型ワイドの大画面液晶ディスプレイを搭載するノートPCだ。

 クリエイティブ用途向けのDell Graphics Proシリーズに属するだけあって、グラフィックス性能を重視したスペック構成、そしてアドビシステムズの個人向けフォトレタッチソフト「Photoshop Elements 12」、個人向け動画編集ソフト「Premiere Elements 11」を標準添付しながら税込10万9980円(Windows 8.1モデル)というリーズナブルな価格が目を引く。アドビのソフトはプリインストールではなく、専用ツールからダウンロード後にインストールする「デジタルデリバリー」形式での提供となる。

 大画面モデルゆえにボディは大柄だが、このクラスにしては比較的薄く、外観のデザインもシンプルにまとめられて圧迫感がない。本体サイズは約414.3(幅)×285.7(奥行き)×28.4(高さ)ミリで、重量は約3キロだ。実測では2.904キロとほぼ公称値通りだった。ノートPCとはいえ3キロ近くあるので、当然ながら据え置きもしくは屋内をたまに移動する程度の使い方が前提となる。

 基本スペックは、CPUに開発コード名「Haswell Refresh」の超低電圧版であるCore i7-4510U(2.0GHz/最大3.1GHz)を採用。グラフィックス機能にCPU内蔵のIntel HD Graphics 4400だけでなく、外部GPUとしてNVIDIAのGeForce 840Mを搭載しているのが最大の特徴だ。メモリは8Gバイト、データストレージは1TバイトHDDを装備し、最近のノートPCでは省略されがちなDVDスーパーマルチドライブも内蔵している。グラフィックス性能を重視しながらも全体的なコストとのバランスを意識した内容だ。

 17.3型ワイド液晶ディスプレイの表示解像度は1600×900ピクセルだ。画素密度は約106ppi(pixels per inch)になる。昨今はフルHDオーバーの高画素密度ディスプレイも少なくないが、ノートPCで106ppiの画素密度だとピクセルがはっきり見えるため、精細さは感じない。ただし、17.3型ワイドの大画面をスケーリングの拡大表示などせず利用できるため、作業領域には余裕がある。目視の印象は十分な輝度と発色を確保しているが、TNパネルのため上下方向の視野角は狭い。チルト角度の調整は正しく行う必要がある。

 端子類の内容もコストに配慮しており、USB 3.0ポートは1基に限られる。ただし、USB 2.0ポートは3基あり、SDXC対応SDメモリーカードスロット、1000BASE-Tの有線LAN、HDMI出力など、端子類は豊富だ。IEEE802.11b/g/nの無線LAN、Bluetooth 4.0+HSも標準搭載している。また、音響技術ソフトウェアに「Wave Maxx Audio Pro」を導入したサウンドシステムを搭載し、ノートPCとしてはパワフルなサウンドが楽しめる。

ボディと製品概要:外部GPUに光学ドライブも内蔵するフルスペック構成

シルバーとブラックのツートーンを基調としたボディは、外観にノイズの少ないシンプルでモダンなデザインだ(写真=左)。天面のシルバー素材はヘアライン加工されており、中央におなじみの「DELL」ロゴがあしらわれている(写真=右)
液晶ディスプレイの画面サイズは17.3型ワイド、表示解像度は1600×900ピクセルに対応している(写真=左)。明るく鮮やかな表示だが、TNパネルなので上下の視野角は狭い。色温度が少し高く、目視ではやや青っぽく見える。液晶ディスプレイのチルト角度は約130度まで開く(写真=右)。タッチパネルは非搭載で、画面の上にWebカメラ(約92万画素)を内蔵している
アイソレーションタイプのテンキー付き6列キーボードを搭載(写真=左)。キーピッチは実測で19(横)×18(縦)ミリだ。中央付近でやや沈む感覚があるが、入力に支障が出るほどではない。アイソレーションキーボードなのでキーストロークは浅い。スイッチは若干反発が強めながら、悪くない感触だ。キーボード手前には左右ボタンを一体化したクリックパッドを搭載(写真=右)。ボディが大柄なぶん、105(横)×80(縦)ミリと大きさに余裕がある
クリックパッドにはシナプティクスのドライバと、デル独自のユーティリティが導入されている。手のひらの誤検知防止機能(パームリジェクション)など感度の調整を備えるほか(画像=左)、ズームやスクロール、チャームの表示といったジェスチャー機能も当然利用できる(画像=右)
大柄なボディだが、端を絞り込んでいることもあり、意外に薄さを感じる。前面にステレオスピーカーを内蔵(写真=左)。背面にはバッテリーを装着し、インタフェース類はない(写真=右)
左側面は、手前側からヘッドフォン/マイク兼用端子、USB 3.0、USB 2.0、有線LAN、HDMI 1.4a出力が並び、排気口の奥に、ACアダプタ接続用のDC入力、セキュリティロックポートがある(写真=左)。右側面にはトレイ式のDVDスーパーマルチドライブを内蔵するほか、手前側にSDXC対応SDメモリーカードスロット、2基のUSB 2.0ポートを配置している(写真=右)
モバイルを想定していない大画面ノートPCでは、底面のデザインも比較的シンプルできれいにまとまっている(写真=左)。底面奥側にリチウムイオンバッテリー(40ワットアワー)が装着されている(写真=右)。手前側のカバーを開けると、メモリスロットや2.5インチのストレージベイ、無線LANモジュールにアクセスできる。省電力なモバイルCPUの搭載もあって、ACアダプタのサイズは46(幅)×105(奥行き)×29(高さ)ミリと、比較的小さく扱いやすい。ただし、ACケーブルは3ピンタイプでやや太く、ケーブル込みの実測重量は349グラムだった
サウンドシステムの音響技術ソフトウェアに「Wave Maxx Audio」を導入しており、クリアでパワフルなサウンドを楽しめる

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