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基本の一本! 標準ズームレンズの使いこなし 「広角」「望遠」の違いを知る

» 2014年06月04日 10時30分 公開
[MAKOTO TSURUTA,ITmedia]

 デジタル一眼カメラのレンズキットを購入すると付属する「標準ズームレンズ」。非常に便利で基本中の基本とも言えるこのレンズですが、レンズの特徴を知ることで写真のバリエーションが増えます。今回はこの標準ズームレンズの使いこなしについて、数回に渡ってご紹介したいと思います。

photo 人気のデジタル一眼レフ「EOS kiss X7」 レンズ1本の付属するレンズキットには標準ズーム「EF-S18-55mm F3.5-5.6 IS STM」が付属します

「ズーム」は被写体の大きさを変える、ではない?!

 レンズを見ると中ほどに何やら数字が。この数字が「焦点距離」を表しており、数字の小さい方が「広角側」(18ミリなど)で、数字の大きい方が「望遠側」(55ミリなど)になります。

photo 「EF-S18-55mm F3.5-5.6 IS STM」に書かれている「焦点距離」。白い線の部分に合わせた数字が使用中の「焦点距離」となります

 ご存じのようにズームリングを回してこの数字を変えることで、位置を変えずとも被写体の大きさを調節できます。でも、実はそれだけではないのです。下の写真のように被写体を同じくらいの大きさで撮影しても“異なる部分がある!”ことがお分かりいただけるかと思います。

広角側の特徴はワイドな空間

 望遠側に比べて広角側は背景が広く写ります。この、“普段は人の視界では見えてない空間”を意識して撮影すると非常に効果的です。また、広角側は画面全体にピントが合いやすいのも特徴のひとつです。広角側での撮影は、広い空間を撮りたい風景や、画面の各所へピントを合わせたい建築物などの撮影に向いていると言えます。

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photo 上が18ミリの広角側、下が55ミリの望遠側で撮影したもの。同じレンズで同じ絞り値でも焦点距離を変えるだけでこれだけ写真に変化が出ます

望遠側は写真を上手く見せる第一歩

 一方の望遠側は、ただ遠くを写せるだけではありません。背景や手前など、ピントの合っていない部分をボカすことが得意になり、また、写る(ピントの合っている)部分が狭まるために周辺の邪魔な物が写り込まず、まとまりを出しやすくなります。結果的に被写体がクローズアップされるので、上手く見える写真のファーストステップとしてこの効果を活用したいところです。

 このように広角側と望遠側では、写り方がまったくと言っていいほど変わります。次回からはこの点を意識して、広角側と望遠側の焦点距離を使った標準レンズの撮影方法を実践して学んで行きましょう!

撮影者プロフィール

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MAKOTO TSURUTA(つるた まこと)

元『週刊ゴング』カメラマン。スポーツで写真を学び、その後メーカー担当として首都圏量販店に常勤し、一眼レフカメラの販売を担当。現在Webプロモーションを得意とする活動の傍ら、写真をさらに楽しむコンテンツサイト「PHOTOWORK」http://photowork.jp/を運営中。個人サイトはhttp://one-cut.net/ 


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