さまざまな「写真展」を随時紹介していく本コーナー。今回は新宿ニコンサロンで、2014年6月24日から開催予定の山野雄樹写真展「降灰の島」を案内する。
爆発音とともに巨大なキノコ雲のような噴煙が上がり、噴石が弧を描きながら落ちるのが見える。灰色の雲が空を覆い、集落に火山灰が降り始める。視界がぼやけていき、景色は灰色に塗り変わっていく。
鹿児島県では、テレビやラジオなどの天気予報で桜島上空の風向きを報道し、県民は毎日風向きを確認する。
鹿児島生まれの作者にとって、小さいころから桜島はそこにある風景の一部である。桜島は鹿児島県の錦江湾(鹿児島湾)の中心にある周囲55?の火山島で、活発な火山活動を続けているが、島には約5,000人が暮らしている。火口から4?の距離には集落が存在し、1914年(大正3年)と1946年(昭和21年)に大きな噴火が起き、集落は大打撃を受けた。畑や集落は埋没し、島民は避難や移住を余儀なくされた。大正の大噴火では、噴出した溶岩で大隅半島と繋がることとなった。
相次ぐ噴火に見舞われながら、島を追われた人々は幾度となく島に戻り、暮らしを立て直す。今でも噴煙活動は続き、農作物は毎年降灰や火山ガスにより大きな被害を受け、雨の日には水なし川に土石流が流れる。噴石が集落にいつ落ちてくるか分からない中で、それでも生きる人々の故郷への執着心に作者は興味をもった。
年数百回の噴火を数える山の裾野で、火山とともに生きる人々を追った作品である。
カラー約50点。
名称 | 山野雄樹写真展「降灰の島」 |
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開催期間 | 2014年6/24(火)〜6/30(月) |
開館時間 | 10時30分〜18時30分(最終日15時終了) |
定休日 | 無休 |
入場 | 無料 |
会場 | 新宿ニコンサロン |
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