インタビュー
» 2014年07月09日 15時32分 UPDATE

インタビュー:「とにかくカッコイイ」「新しい」カメラを作ろう――受け継がれるオリンパスの“PENイズム”(前編) (1/2)

オリンパス「OLYMPUS PEN」シリーズは初代から5年が経過するものの、いまでもそのルックスとコンセプトは色あせることがない。最新モデルまで脈々と受け継がれているPENイズム。そのヒミツを聞いてみることにしよう。

[野村シンヤ,ITmedia]

 小型軽量化・薄型化した高性能カメラの実現を特徴として2008年に発表されたマイクロフォーサーズ規格。オリンパスからは2009年に満を持して「PEN E-P1」が発売され、その洗練されたスタイルは話題を呼び、またたく間に大ヒットモデルとなった。その人気は衰えることなく、2013年には最新の「PEN E-P5」が登場し、なおも進化を続けている。

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 ここまでヒットした要因は性能だけではなく“PENらしさ”とも表現できる世界観、美しいルックスにもよるところも大きい。そこで今回はコンセプトやデザインへのこだわり、“PENらしさ”の世界観の構築について、初代機からシリーズ製品に携わる企画開発担当の片岡摂哉氏と、デザイン担当の高橋純氏に話を聞いた。

photo 同社 商品戦略本部 商品戦略部 部長 片岡摂哉氏(右)と商品戦略本部 デザインセンター センター長 高橋純氏

「とにかくカッコよくて写真機らしいもの」――試行錯誤して見つけた、PENの原点

━━まずは最初のPENである「PEN E-P1」が生まれるところから振り返って頂けますか。

片岡氏: 2008年から企画を進め、2009年にE-P1が出たのですが、ちょうどこの時はカメラ業界が停滞していた時期でもありました。コンパクトデジカメとレンズ交換式、それぞれはこうあるべきと議論されている中、我々は新しい市場を作りたいという思いがありました。

 当社には古いカメラを展示している場所があり、そこに通いながら――銀塩のPENですとか、PEN Fのような――単純に一目見て「ああ、カッコイイな!」というものが最近は本当にないと思っていました。

 そこでとにかく「カッコイイ」もの、見て「なるほど!」と思えるものが欲しくて、当時のデザインチームと話をしていくなかで、PENやPEN Fというカメラが新鮮に受け入れてもらえるのではと考えるようになりました。ただ新しいものなので、それだけではなく、色々なタイプの中から考えたのがスタートになります。

高橋氏: “とにかくカッコイイもの、新しいもの”と試行錯誤したなかで、現代的なデジタルガジェットらしいものから、オールド感があるようなものまでさまざまな案が浮上しました。そこで5つのモックアップを作って、社内で老若男女にアンケートを取ったところ、支持を集めたのが、銀塩のPENに通じるデザインのものでした。

photo 2009年6月に行われた「E-P1」発表会で紹介された5つのモックアップ

 最初このタイプを提案したとき、昔を知らない若い世代にどう受け止められるか分かりませんでした。年長者の懐古趣味ではないかと。ですが、昔を感じさせるデザインがむしろカメラらしくて、いい写真が撮れそうだと若い世代へ響いたようでした。

 その反応が得られて初めて、プロジェクトが加速しました。それまではかなり暗中模索していましたね。

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