インタビュー
» 2014年07月10日 07時00分 UPDATE

「もう一度“PEN”を見直して、大胆に」――受け継がれるオリンパスの“PENイズム”(後編) (1/3)

オリンパスのデジカメ「PEN」シリーズも誕生から5年。LiteやMiniなどバリエーションも増え、「OM-D」シリーズも登場した。受け継ぐべき“イズム”と、時代に即した“変化”は何か。

[野村シンヤ,ITmedia]

 レンジファインダー風のクラシカルなミラーレスカメラというジャンルを確立したオリンパス「PEN」シリーズ。その誕生から5年が経過するものの、最新モデル「E-P5」でもその“らしさ”は変わらず引き継がれている。

・「とにかくカッコイイ」「新しい」カメラを作ろう――受け継がれるオリンパスの“PENイズム”(前編)

 インタビューの後編では引き続き、同社企画開発担当の片岡摂哉氏と、デザイン担当の高橋純氏に、初代を投入してからの変化と、これからの未来像について話を聞く。

photo 2013年5月に発表された最新モデル「E-P5」

「新しいモノ」を目指すために下した決断

━━現在のPENの形を作るとき、省いてしまったものとかそぎ落としてしまったものとかありますでしょうか。

片岡氏: ストロボを取ってしまったことですね。新しいモノを目指すからといって、そこまでやってしまっていいのかというのは結構な議論になりました。

高橋氏: 若い人に話を聞くと、写真を撮るときにストロボを使わないという声が多かったのも決断できた理由のひとつです。ストロボを当てたクッキリした仕上がりよりナチュラルな仕上がりを好む人が増えているという潮流もありましたし、センサーや画像処理エンジンの進化で高感度撮影が容易になったという技術的な背景もありました。

photo 初代よりPENシリーズのデザインに携わる高橋氏

 もうひとつ、当時は「E-620」などファインダーやグリップを備えた一眼レフのEシリーズが先行していましたので、新登場となるPENシリーズは機能にしてもデザインにしても、思い切ったチャレンジをしやすかったという、弊社ラインアップ上の事情もありました。

━━2009年にE-P1、同年に強化版としてE-P2を投入、2011年に第二世代機と呼べる「E-P3」が登場しました。

片岡氏: おかげさまでE-P1とE-P2は好評を得て市場認知され、バリエーションモデルとして「PEN Lite」シリーズを2010年春から投入しました。そうした背景から、E-P3にはPENシリーズのフラグシップ機としての役割を持たせることとなりました。

 PENシリーズのフラグシップとして新製品を企画する際、何を保ち、何を進化させるか。全体的なデザインイメージは踏襲しながら、高速化したAFとタッチパネルを組み合わせ、背面液晶に表示されている被写体にタッチすれば撮影できるという、新しい写真の撮り方を提案したのがこのモデルです。

 さらにE-P1/P2購入者からは「内蔵ストロボが欲しい」というフィードバックを頂いていたので、内蔵することにしました。一見したところのサイズを変えないでのストロボ内蔵を決定してので、設計には相当な無理をしてもらうことになりましたね。

高橋氏: E-P3のデザイン面で言えば、守るべきところは守って、いかに進化させていくかというところに注力しました。継承させながらの進化、ですね。

 軍艦部のデザインイメージを継承するため、正面から見たときにフラッシュの割線(フラッシュ部のパーツとボディ部の境目の線)が見えないようにして欲しいと要望したのも、「継承しながらの進化」のために必要と判断したからです。

片岡氏: ストロボについて結果的には、ケラレを防ぐために使用時には発光部を前方へ展開しながらも未使用時にはぴったりボディ上部に収納されるという困難な要望を設計担当へお願いすることとなりまして、担当からはだいぶ泣きが入りましたね(苦笑)

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