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見る人をうならせる、広角レンズを生かした撮影方法単焦点レンズのキモ(21ミリ編)

» 2014年08月13日 21時30分 公開
[MAKOTO TSURUTA,ITmedia]

 広角レンズはその広い画角を生かし、風景撮影によく使われます。人間の目で見た景色よりもはるかに広い範囲を写せるので、印象的なシーンを広く記録するにはもってこいなわけです。

 そのほか、「対象との距離感」や「空間の演出」を意識すると、より広角の特長を生かした迫力のある写真を撮れるようになります。今回は富士フイルム の「XF14mmF2.8 R」と「FUJIFILM X-T1」の組み合わせ(35ミリ換算で21ミリ相当)を例に、ちょっとした撮影テクニックを紹介します。

広角レンズの魅力

広角レンズの魅力! 集中線的な効果を意識する

 広角レンズは対象との距離で写真が大きく変わります。その魅力の1つでもある「集中線」的な効果。分かりやすい例で言うと、マンガによく出てくる迫力を出すために直線を放射線上に並べたアレですね。

 方法は簡単で、道の中央に立ち、カメラを水平に構えて撮影するだけ。手前から奥へと引き込まれるような印象の写真を撮影することができるので、「この写真気になる! いいな!」っという印象を生み出します。

 広角レンズはレンズの特性上、広い空間をギューっと押し込んだ形で表現するので、近い被写体は大きく、遠い被写体は小さく表現されます。遠近感が誇張されるわけですね。その際、以下の作例のように上下左右の構造物に集中線的な効果がつき、奥行きのある空間を作り出します。

 広角レンズの基本的な使い方でもあるので、被写体に対して真っ正面、中央に立って水平に撮影する事をポイントとして覚えておくと、ストリートスナップや夜景などでも役立ちます。

通路写真 道の真正面で水平に撮影することで吸い込まれるような表現を演出できます

被写体に対して横から撮影したり、あおったりして空間を演出

 新緑が魅力的な公園では被写体を横から捉えたり、カメラをあおる(上に振る)ことで、余白や空間を作り出すことができます。

 意図的に大きな空間を作ることで、まずは新緑に視線が行き、そのあとにベンチや道の先など、第2、第3の被写体が浮き上がってきます。

 あおりの効果で空間を作り、視線に順位をつけることで、撮りたいものをベタにそのまま写さず、アクセントとして活用することもできるのです。

公園写真 あおりで意図的に空間を作り出すことで写真の見せ方を工夫できます

まとめ:広角レンズの使い方のポイント

 広角レンズは35ミリ以下のレンズで、焦点距離の数字が小さくなればなるほど遠近感が誇張され、迫力を生む集中線や空間の視覚効果が現れてきます。

 一例にはなりましたが、この視覚効果をどう意識して写真に生かしていくかが広角レンズの活用方法になりますので、迫力のある写真やインパクトのある写真を撮りたい! という方は、まず思いっきり近づいて強調したり、離れて空間を生かしながら第2、第3の被写体に視線を誘導する作品作りなをど試してみてはいかがでしょうか。

撮影者プロフィール

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MAKOTO TSURUTA(つるた まこと)

元『週刊ゴング』カメラマン。スポーツで写真を学び、その後メーカー担当として首都圏量販店に常勤し、一眼レフカメラの販売を担当。現在Webプロモーションを得意とする活動の傍ら、写真をさらに楽しむコンテンツサイト「PHOTOWORK」http://photowork.jp/を運営中。個人サイトはhttp://one-cut.net/ 


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