さまざまな「写真展」を随時紹介していく本コーナー。今回は新宿ニコンサロンで、2014年8月19日から開催予定の矢口清貴写真展「パイパティローマ」を案内する。
沖縄県八重山諸島、日本最南端の有人島波照間島には、パイパティローマという伝説がある。
「1648年波照間村の百姓男女約40〜50人が大波照間(パイパティローマ)という南の島へ逃避した。そのことで波照間村の有力者松茂氏は、石垣島地頭の守恒氏の船に乗り、上国したところ、越度があったと罷免された。八重山へ帰る途中、南の島に漂着した。二人をはじめ、船中の人々は翌年与那国島に到着し、帰ってきた」(『八重山島年来記(琉球王府)』)
島人が重税を苦に逃避したパイパティローマとはどこなのか。
琉球海溝に沿って、沖縄〜宮古〜八重山〜台湾〜ルソン海峡が並んでいる。史記にある波照間・与那国に最も近い島々は、台湾の蘭嶼(らんしょ)、フィリピン北端のバタン諸島である。これらは直径約450?の海域にあり、八重山諸島〜沖縄諸島とほぼ同等の距離にある。
豊穣も厄災も海の彼方からやってくる。
沖縄・八重山に色濃く残る南への志向性、その源へ漕ぎ出そう。永遠の楽土、パイパティローマを探しに。
カラー約40点。
名称 | 矢口清貴写真展「パイパティローマ」 |
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開催期間 | 2014年8月19日(火)〜8月25日(月) |
開館時間 | 10時30分〜18時30分(最終日15時終了) |
定休日 | 無休 |
入場 | 無料 |
会場 | 新宿ニコンサロン |
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