カメラのモードダイヤルを見ると、「S」や「Tv」といったモードがあると思います。これが「シャッタースピード優先」といわれるモードです。カメラによって設定できる数値は違いますが、こちらに設定することでだいたい30秒〜1/4000秒(ものによっては1/8000秒やそれ以上)までシャッタースピードが選べるようになります。
カメラは写真を撮るのに一定量の光を必要とします。全自動やプログラム、絞り優先モードでは、シャッタースピードは自動的に決められてシャッター幕が開閉し、カメラ内に光を取り込みます。シャッタースピード優先モードでは、この設定した秒数だけ光を取り込みます。
例えば晴天の公園など、屋外の明るい場所では十分な光を取り込めるため、手ブレすることは少ないのですが、夜や室内など、暗い場所では撮影に必要な光を確保するために少し長い時間シャッター幕を開けることになります。このシャッター幕が開いているタイミングでカメラが揺れてしまうと写真に手ブレが発生します。
シャッタースピードが遅いと、手ブレの危険性が高くなるのが分かったかと思います。ではどれくらい?と思いますよね。
手ブレしないシャッタースピードの目安は “1/焦点距離”といわれており、例えば50ミリのレンズを使用した場合は1/50秒 (APS-Cの場合は、1.5、1.6倍の1/80秒)よりも少し速いシャッタースピード、1/80〜1/125秒くらいを目安に撮影すると手ブレするリスクをかなり軽減できます。
この際、光が足りなくて写真が暗くなってしまう場合はISO感度を上げてください。
もし、自分で手ブレしないシャッタースピードを把握したければ、こんな実験をしてみるといいかもしれません。
レンズによって異なりますが、筆者の場合手持ち撮影でブレないシャッタースピードは1/60秒を目安にしています。ですが、現在は高画素なカメラが増えてきているので、ちょっとした動きもブレにつながってしまう可能性が増えています。そういった場合は1/250秒など、速いシャッターを切ることでリスクを軽減しています。
撮影して家に帰ってみて「あ! 失敗した!」という事を減らすためにも、焦点距離を元にしたシャッタースピードと、自分が手ブレする限界よりも少し余裕を持ったシャッタースピードで撮影しておくと安心です!
それと、カメラのモニターではブレていないように見えても、PCで拡大して見るとブレていることがよくあるので、大事な写真はその場で拡大表示で確認しておくとあとあと困りません。
次回はシャッタースピードを応用した撮影テクニックをお届けします。
MAKOTO TSURUTA(つるた まこと)
元『週刊ゴング』カメラマン。スポーツで写真を学び、その後メーカー担当として首都圏量販店に常勤し、一眼レフカメラの販売を担当。現在Webプロモーションを得意とする活動の傍ら、写真をさらに楽しむコンテンツサイト「PHOTOWORK」http://photowork.jp/を運営中。個人サイトはhttp://one-cut.net/
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