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» 2014年10月10日 07時45分 UPDATE

写真展:トミオ・セイケ写真展「West Pier」

[ITmedia]

 さまざまな「写真展」を随時案内していく本コーナー。今回は、ブリッツ・ギャラリーで2014年10月21日から開催予定の写真展「West Pier」を紹介していく。

ht_ph6.jpg ©Tomio Seike“West Pier #13, 2005”

欧米のアート写真シーンで活躍中の写真家トミオ・セイケの写真展「West Pier(ウエスト・ピア)」を開催いたします。ウエスト・ピアは、英国イングランド南東部イースト・サセックス州にあるヴィクトリア朝の1866年に建築された観光目的の巨大な桟橋。イングリッシュ・ヘリテッジから指定建築物第1級に認定された貴重な歴史建造物でした。そこにはコンサートホールや各種の娯楽施設があり、長きにわたり人気観光名所として知られていました。しかし1975年に施設老朽化のために閉鎖され、その後は複雑に絡み合う利害関係に翻弄されて補修されることなく放置されていました。老朽化が進む中、2002年のハリケーンの影響で施設の一部が破壊。また度重なる原因不明の火災発生と悪天候により崩壊が進行し、いまや一部の鉄骨の骨組みを残すだけの存在になっています。

ブライトン在住のセイケにとって、この放置され続けていた巨大な文化遺産はずっと気になる存在でした。彼は、2005年〜2009年にかけて次第に朽ち果てていくウエスト・ピアを撮影。霧の中や降雪時など、様々な自然環境の中でたたずむ桟橋の姿を写しています。しかし、彼は決して桟橋の崩壊過程ドキュメントしたのではありません。観光名所の桟橋は様々な利権が絡み合っており、多くの人々の欲やエゴの象徴ともいえる存在でした。彼は自然の力により、この地でかつて大きな存在感を誇っていたウエスト・ピアが次第に朽ち果てていく過程に引き込まれていったのです。継続した写真撮影により、いやが上でも人間の生来の欲望の大きさと自然の力を意識させられます。彼はウエスト・ピア崩壊過程を通して、巨大な宇宙の中で生かされている人間の小さな存在を直感したのでしょう。

本作では、セイケは1930年代に制作された折り畳み式蛇腹カメラのスーパーイコンタを使用しています。彼がトレードマークともいえるライカ・カメラで撮影しなかったのは、レンズ交換などにより撮影過程が複雑になるよりは、自然環境の中で厳かに存在する被写体とシンプルに対峙したいという意図があったからです。また悪天候で撮影環境が厳しい時には、デジタル・カメラのエプソンR-D1sでも撮影しています。本展ではゼラチン・シルバー・プリントで制作されたモノクロ作品約24点が展示されます。エプソンR-D1sで撮影された作品も、デジタルデータからゼラチン・シルバー・プリントが制作されています。


写真展の詳細

名称 トミオ・セイケ写真展「West Pier」
開催期間 2014年10月21日(火)〜12月6日(土)
開館時間 13時〜18時
定休日 日曜日、月曜日
入場 無料
会場 ブリッツ・ギャラリー

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