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» 2014年10月20日 12時30分 UPDATE

交換レンズ百景:コンパクトなシステムで“サンニッパ”相当が実現――オリンパス「M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO」

オリンパスから、プロフェッショナルレンズシリーズ「M.ZUIKO PRO」の第2弾として、F2.8通しの望遠ズームレンズが11月に登場する。80ミリから300ミリという幅広い焦点距離をコンパクトなボディでカバーできるのが魅力だ。

[三井公一,ITmedia]

 「PRO」の名を冠した M.ZUIKO プロフェッショナルレンズ第2弾「M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO」が登場する。F2.8通しで35ミリ版換算80ミリから300ミリという、中望遠域から望遠域までをカバーする高性能レンズだ。今回はこの高い光学性能と防塵防滴性能を有する新型ズームレンズを「OM-D E-M1」シルバーボディに装着して、台風の合間を縫って撮影を敢行した。

M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO 「M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO」(ボディはOM-D E-M1シルバー)

 マイクロフォーサーズシステムということで、フルサイズシステムと比較するとこのレンズは実にコンパクトだ。おおむねフルサイズシステムの70-200mm F2.8クラスのサイズ感とお伝えすれば想像しやすいだろうか。それでいて300ミリまでをF2.8でカバーできるのが魅力だ。外装の仕上がりも高級感があって撮る気を盛り上げてくれる。AFとMFの切り替えが瞬時に可能なフォーカスリングと、トルク感があるズームリングともに指がかりのいい金属製ローレット仕上げとなっている。またさまざまな機能を割り当てられるファンクションボタン(L-Fn)をレンズ側面に設置しているので、被写体や撮影スタイルに応じてカスタマイズが可能なのも嬉しい点だ。

 専用フード(LH-76)も頼もしい。レンズに装着したまま伸縮できるので、付けっぱなしでカメラバッグに放り込んでおき、いざ撮影というときにはフードを引き出してやればいいのだ。しかもこの伸縮にはロックが設けられており、不用意に動かないようになっている。ただフードのバヨネット自体には残念ながらロックがない。12-40mm F2.8 PROのようなロック機構が欲しいところだ。

 写りは素晴らしい。自分がマイクロフォーサーズシステムを所有していたのなら購入したいとさえ思えるほどである。12-40mm F2.8 PROと、このレンズと、いくつかの単焦点レンズがあれば、システムは完結してしまうのではとさえ感じる。

 EDレンズを5枚、非球面レンズ、HDレンズを存分に使ったレンズ構成は、開放域から実にシャープでキレのある描写を見せ、それはEVFをのぞいただけでそのクリアさを実感できるほどだ。AFスピードも申し分なく、ススッと合焦する。ただ激しい動きものの追従には若干弱い印象を受けた。しかしながらボケも美しく、ズーム全域で70センチまで寄れ、防塵防滴というこのレンズはとても魅力的に感じた。

M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO F2.8、1/400秒、ISO200、マニュアル、WBオート

 停泊中の船舶を絞り開放で撮影。重厚な船体のメタリック感がとてもよく写しとられている。このサイズでフルサイズ換算300mmF2.8というのは実に魅力的だ。

M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO F4.5、1/1600秒、ISO200、マニュアル、WBオート

 テレコンバーターキットに同梱される「テレコンバーター M.ZUIKO DIGITAL 1.4x Teleconverter MC-14」を装着して焦点距離を1.4倍にして航行中のジェットフォイル船を狙う。E-M1で撮ると像がビシッと安定し楽に超望遠域でも手持ちで撮影ができた。船体の金属描写や、排気による陽炎状の空気感までとてもよく写っている。

M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO F2.8、1/1600秒、ISO200、絞り優先オート、WB晴天

 空を飛ぶカモメをテレ端で追う。合焦時は実に素晴らしいキレ味を見せる。ただ一旦フォーカスを外すと復帰まで迷いを見せるシーンが多かった。そういう時はフォーカスリングを瞬時にマニュアルにして撮影者がレンズとカメラをカバーすることが必要だ。

M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO F2.8、1/640秒、ISO200、マニュアル、WB晴天

 F2.8絞り開放でもこのレンズはキレキレだ。コントラストも色再現も安定している。また後ボケも自然でいい感じ。

M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO F2.8、1/160秒、ISO200、マニュアル、WB白熱灯

 ホワイトバランスを白熱灯にして、暮れなずんだ東京湾を背景にキャストを繰り返すアングラーをシューティング。僅かに周辺光量落ちが認められるが自然な落ち方でイヤな感じは受けない。光量が少なくてもヌケがよく、手前に波しぶきを入れてイメージ通りの撮影ができた。

M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO F2.8、1/125秒、ISO200、マニュアル、WB晴天

 昭和な洋館にディスプレイされている鳥かご。テレ端で中にある鳥の眼にフォーカスして撮影。目の周囲描写に注目してほしい。繊細なディテールが写しとられているのが分かるはずだ。ズーム全域で70センチまで寄れるので、さまざまな撮影にこのレンズは対応できるだろう。

M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO F2.8、1/1250秒、ISO200、絞り優先オート、WB晴天

 このサイズで、35ミリ版換算80ミリから300ミリという焦点距離で、F2.8通しが手に入るのは撮影に大きなアドバンテージになる。気になった遠くの被写体でも瞬時にキャプチャーできるからだ。フルサイズシステムの70-200ミリF2.8では焦点距離が足りないと思うシーンが個人的には多いと感じている。

M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO F2.8、1/1250秒、ISO200、絞り優先オート、WB晴天

 ボケが美しいのもこのレンズの特長だ。絞り羽根は9枚で円形絞りとなっている。開放からかなりのキレを見せるので、今回は開け気味で撮影してしまったカットが多かった。

M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO F2.8、1/3200秒、ISO200、絞り優先オート、WB晴天

 もしマイクロフォーサーズシステムを持っていて望遠ズームを考えているのならば、比較的コンパクトでF2.8通し、しかも防塵防滴で写りもよいこのレンズを候補に挙げない理由はない。入手の暁にはきっと満足のいく写真が撮れるに違いないだろう。私もちょっとマイクロフォーサーズシステムが欲しくなってしまったほどである(笑)。

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