撮像素子には、新たに開発されたフルサイズ(35.9×24ミリ)の有効2432万画素CMOSセンサーを搭載する。D810ほどの圧倒的な精細感ではないものの、それでもA3サイズのプリントに堪える精密な細部表現力がある。
オートホワイトバランスの安定感は高く、実写ではクリアな発色に好印象を受けた。発色傾向の調整機能としては、ピクチャーコントロールを搭載。D810で初採用された「フラット」モードや新しいパラメーター「明瞭度」も選べるようになっている。
画像処理エンジンには、D4SやD810と同じEXPEED 4を採用。常用感度はISO100〜12800で、増減感を選ぶとISO50〜51200まで拡張できる。ノイズリダクションによる解像感の低下を抑えつつ、高感度ノイズは目立たないように低減されている。
今回の実写では、比較的軽量なボディとチルト可動モニターの組み合わせによって、フルサイズならではの高画質をスナップ感覚で楽しむことができた。以前に掲載したD810のレビューでは、個人的な要望として、このクラスの製品にも可動式モニターが欲しいと述べたが、その願いがこれほど早く実現したのはうれしい誤算だった。
なお、上下左右に可動するバリアングル式ではないので、カメラを縦位置に構えた場合には可動のメリットはない。その代わり、ワンアクションで素早く液晶モニターを引き出せることや、モニターの中心がほぼレンズの光軸に重なることがチルト式の利点といえる。
D750は、多機能と高画質、機動力を兼ね備えたフルサイズ一眼レフだ。写真撮影を趣味にするユーザーに強くお勧めできる。
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