次は高速での動体を撮影するために、鉄道を撮りに出かけた。あいにくの雨だったが、動体への素晴らしいAF追従性には舌を巻いた。測距エリア選択で領域拡大(周囲)やラージゾーン(3パターン)などを試したが、7割〜8割ほどのヒット率でピントが来た。
横位置と縦位置で個々のAFフレームが設定できる。被写体に応じて柔軟なセッティングが可能だ。迫ってくる列車、遠ざかる列車ともにAF追従性は優秀であった。
斜め横方向に走り去る新幹線の撮影も楽勝だ。停車している各駅停車の横を高速で走り去る車両をフォローしながら撮影。きちんとカメラを列車の動きに合わせさえすれば、ほぼ全てのカットでピントが来る。
フルサイズ機と違ってAF測距点がフレームの広範囲に存在しているのも動体撮影には向いている。もちろんポートレートや風景などさまざまな被写体でも有効なのは言うまでもない。
最高で秒間10コマという高速連写性能も動体だけではなく全ての撮影シーンで有効だ。次のシャッターチャンスに備える、という意味でだ。このような縦位置での動体撮影時にはバッテリーグリップ BG-E16の装着が望ましい。ホールド性が劇的に向上する。
意外だったのが高感度特性だ。「EF-S10-22mm F3.5-4.5 USM」を装着して日が暮れた横浜を撮影したが、日頃高感度の描写が素晴らしいフルサイズ機の写真を見慣れているせいか、このカメラの高感度域は少しもの足りない気がした。ISO1600付近からノイズが大幅に増加するのだ。
ISO3200ともなると絵が眠くなるとともにノイズ感が増大した。もちろん被写体や光源にも左右されるが、どうしても低照度での高速AFと連写性能を求めるのであれば、フルサイズのフラッグシップ機、EOS-1D Xという選択肢も用意されている。とはいえ「EF24-70mm F4L IS USM」にレンズ交換して夜の横浜を撮り歩いたが、ISO1600付近までならば、素早くピントを合わせられ小気味よくシューティングできるEOS 7D Mark llはとても魅力的に感じた。俊敏なAPS-C機を検討しているのなら是非一度手にして試してみるべきだろう。
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