さまざまな「写真展」を随時案内していく本コーナー。銀座ニコンサロンで、2014年11月19日から開催予定の小林紀晴写真展「ring wandering 悲しき迷走」を案内する。
作者が生まれ育った八ヶ岳の裾野は冬の寒さが厳しい。その季節、あたかもすべての生命が凍てついたしまったかのように死を強く連想させる。夏のあいだ迷走しながら生長した植物は、冬にその痕跡をあらわにする。
一方、古く縄文の時代から人々はこの地で野生動物を追ってきた。追われる動物たちもまた迷走する。枯れた草木は罠のように立ちはだかる。やがて捕らえられ、大地に滴る動物の血は体温とひきかえに湯気をあげる。そのさまは生の象徴のようにも、生と死の交換のようにも映る。
人もまた冬枯れのなか、植物と動物のあいだで迷走する。
3つの回帰の輪は冬にだけ触れあい、重なる。より死と生があらわになる。それらは悲しくも美しい。
【リングワンダリング】(英:ring wandering)
人が山中などで方向感覚を失い、無意識の内に円を描くように同一地点を彷徨い歩くこと。
名称 | 小林紀晴写真展「ring wandering 悲しき迷走」 |
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開催期間 | 2014年11月19日(水)〜12月2日(火) |
開館時間 | 10時30分〜18時30分(最終日15時終了) |
定休日 | 会期中無休 |
入場 | 無料 |
会場 | 銀座ニコンサロン |
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