もう1つの注目は、これまでのメカニカルシャッターに加えて、電子シャッターを新たに搭載したこと。従来のメカニカルシャッターのみの場合は、最高速度は1/4000秒であっても、絞りを開放値のF2にセットした場合は最高で1/1000秒となってしまうため、明るい屋外で絞り開放値を使うには、NDフィルター機能をオンにする必要があった。
だがX100Tでは、電子シャッターを利用することで絞り値を問わず、最高1/32000秒の高速シャッターが使用可能だ。電子シャッターとメカニカルシャッターの切り換えは、手動のほかオートでも行える。オートにしておけば、明るい場所でもNDフィルターを使わずに好きな絞りが自由に選べる。
一眼レフとは異なり、シャッター音が非常に小さいことや、メカニカルシャッター使用時はすべてのシャッター速度でストロボが同調することは、シリーズ共通のメリットだ。そのうえで、電子シャッターを新搭載したことで、シャッター音を完全になくすことも可能になった。
レンズは、35ミリ相当の焦点距離を持つ広角単焦点で、開放値はF2に対応する。手ブレ補正は非搭載。最短撮影距離はマクロモード使用時に10センチとなる。
AFは、前モデルX100Sで搭載されたインテリジェントハイブリッドAFを受け継いでいる。コントラストAFと撮像面位相差AFを併用する仕組みであり、公称のAF速度0.08秒やシャッタータイムラグ0.01秒も継承する。薄暗いシーンではAF速度がやや低下するものの、それ以外では大きなストレスなく作動するAF性能を確認できた。
操作の細かい部分にもさまざまな進化が見られる。たとえば絞り値は、他のレバーを併用することなく、レンズ鏡胴部の絞りリングのみで1/3段刻みで調整可能になった。露出補正は調整の幅が広がり、天面の専用ダイヤルを使って±3段の範囲で変更できるようになった。
カスタマイズも充実し、背面の十字キー操作で測距点をダイレクトに変更可能になったほか、7つのファンクションボタンに好きな機能を割り当てたり、クイックメニューの内容を変更したりもできる。自分の撮影スタイルに応じて、これらをきっちりと設定することで、使い勝手を大きく高められる。
個人的に気に入ったのは、マニュアル露出モードの際に露出補正が可能になったこと。感度をISOオートに設定し、好きな絞り値とシャッター速度に固定して撮る際に役立つ。逆に不満点は、拡大再生したままでコマ送りができないことだ。
そのほか、付加的な機能として、スマホとの連携によるリモート撮影や、8種類の特殊効果が選べるアドバンストフィルター、多重露光、顔検出AF、インターバルタイマー撮影、パノラマ撮影、カメラ内RAW現像などを備える。連写は6コマ/秒に、動画は60fpsのフルHD記録に対応する。
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