さまざまな「写真展」を随時案内していく本コーナー。新宿ニコンサロンで、2014年12月23日から開催予定の齋藤利江写真展「鮮やかなモノクローム −昭和30年代の暮らし−」を紹介する。
「将来は写真家になりたい」と中学生の頃から思っていた作者は、どこへ行くにも片時もカメラを離さない程写真に熱中していた。
高校卒業を間近にしたある日、作者の父親が病に倒れ、進学の道を閉ざされてしまった。また、20歳の時にはそれまで撮り溜めていた写真のネガを父親に処分され、写真家になる夢を諦めざるを得なかった。
それから幾星霜。人生の大きな曲がり角に立っていた60歳の誕生日に、なんと捨てられたと思っていたネガが偶然見つかった。父親は処分せず、大切に保存していてくれたのであった。
40年ぶりに再会したネガは、あたかも亡き父親からの贈り物のようで、失意の底にあった作者に、生きる勇気を与えてくれた。
あの日から早くも15年の歳月が経った。めまぐるしく移り変わる現代を生きていくのが精一杯だが、これらの写真を見返すと当時のことが愛おしいほどに懐かしく思い出され、また、昭和を生きた人々の心意気や暮らしが、作者の心に鮮やかに甦った。
展示する作品は、撮影した当時は当たり前のことであっても、今はなくなってしまった“暮らしの光景”である。
モノクロ67点。
名称 | 齋藤利江写真展「鮮やかなモノクローム −昭和30年代の暮らし−」 |
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開催期間 | 2014年12月23日(火)〜2014年12月29日(月) |
開館時間 | 10時30分〜18時30分(最終日は15時まで) |
定休日 | 会期中無休 |
入場 | 無料 |
会場 | 新宿ニコンサロン |
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