コラム
» 2014年12月29日 12時30分 UPDATE

2014年注目したカメラ&トピックス(フォトグラファー 三井編):キラリと光る特徴を持つデジカメとレンズが目を引いた

2013年同様、2014年のカメラ業界は、スマートフォン人気の影響が色濃かったことは間違いない。話題になった新製品も少なかった印象だ。しかし、光る個性を持ったカメラやレンズは輝いて見えた。

[三井公一,ITmedia]

 2014年もさまざまなカメラやレンズ、関連製品が登場した。2013年同様、カメラ業界はスマートフォン人気の影響を受け、新製品もあまりパッとしない印象だったが、そんな中でキラリと光る特長を持つ製品だけはひときわ輝いて見えた。

“とがったデジタルカメラ”がユーザーの心をつかんだ

 業界的にも個人的にもインパクトがあったのが、シグマの「dp Quattro」シリーズだ。カメラの概念を打ち破った斬新なボディデザインは、見た人の心を揺さぶるには十分すぎるインパクトがあった。その証拠に、お披露目となったCP+ 2014のシグマブースでは、ハンズオンに長蛇の列ができたし、今までカメラに興味がなかった人たちも手を伸ばしはじめ、ついにはグッドデザイン金賞まで受賞してしまったのだ。奇をてらったデザインに思われたが、実際に使ってみるとホールドポジションがスタイルによっていくつも取れるので、かなり持ちやすい。シグマの山木社長曰く「変態カメラ」ということだが、12月25日発売のLCDビューファインダー「LVF-01」を装着するとさらにその“変態度”が高まる。

 もちろん外観だけでなく写りも向上した。Foveonセンサーは今までRAWで撮影して、SIGMA Photo Proという専用アプリケーションで現像をしないとダメ!という感じであったが、先代のMerrillシリーズから撮って出しのJPEG画質が向上し、このQuattroシリーズではそれがついに完成形になったといえる印象だ。これにより誰でも気軽にシグマFoveonの楽しさを享受できるようになり、新しい層のユーザーがこの高級コンパクトデジタルカメラを使い始めている。やはりとがった製品はユーザーの心をつかむのだ、ということを実感した。高級コンパクトデジタルカメラの流れを作ったシグマが産み出した、この「ボディデザイン+高画質」という流れは、今後他メーカーにも波及しそうだ。シグマからもdp3 Quattroの登場がそう遠くないようなので期待したい。

dp1 Quattro SIGMA dp1 Quattro、絞り優先AE、1/100、F9、ISO100、−0.7EV

高性能なレンズが登場し、レンズ交換式カメラを楽しむ環境が整った

 2014年はデジタルカメラの高画質化に呼応して高性能なレンズが多数登場。カメラメーカーだけでなくレンズメーカーからも、特長をもったユニークな製品がいろいろとリリースされた。撮影後に画像を確認すると、多くの製品はクリアかつシャープな写りで、解像感、色乗り、収差なども良好であった。焦点距離と明るさもチョイスでき、レンズ交換式一眼カメラを楽しむにはいい環境になったといえよう。

 交換レンズ百景で試用したレンズはどれも素晴らしかった。特に富士フイルム「XF56mmF1.2 R APD」、オリンパス「M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO」、キヤノン「EF16-35mm F4L IS USM」、パナソニック「LEICA DG NOCTICRON 42.5mm/F1.2」、ソニー「Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZA」は印象的だった。

 個人的には驚異的な画角を手軽に味わえたニコン「1 NIKKOR VR 70-300mm f/4.5-5.6」にインパクトを受けた。コンパクトなサイズながら、フルサイズ換算約810ミリという超望遠域を振り回せるのが魅力的で、実に新鮮に感じた。Nikon 1 V3のEVFをのぞきながら810ミリという画角で「ああ、交換レンズって楽しいなあ」と再確認させてくれたのだ。フィッシュアイや超ワイドも楽しいが、超望遠撮影は被写体の見つけ方を根底からひっくり返してくれるので本当に撮るのが楽しかった。このレンズはやはり大人気でいまだに入手が難しいそうだ。画質ももちろん重要だが、日常とは大きく違った視点を与えてくれる製品に2015年は期待したい。

1 NIKKOR VR 70-300mm f/4.5-5.6 Nikon 1 V3+1 NIKKOR VR 70-300mm f/4.5-5.6、プログラムAE、1/1600、F4.8、ISO160、−0.7EV、276ミリ相当

スマホとカメラの距離がさらに近づく?

 さて冒頭でスマートフォンの影響が、と書いたが、それに立ち向かう製品も登場してきている。Photokinaで発表されたパナソニックの「LUMIX CM1」だ。1インチのセンサーを搭載したAndroidを採用したカメラである。iPhoneは「カメラが凄いスマートフォン」だが、このCM1は「通信機能を持った高級コンパクトデジタルカメラ」といえばいいだろうか。使用してみるとやはり絵がスマートフォンとは違いデジカメの質だと感じる。伸びやかだし高感度も強いしボケも楽しめるからだ。また使い勝手はLUMIXシリーズと同様だし、撮った写真をその場で加工したりすぐシェアしたりできるのが強みとなっているので、もし日本でリリースされればスマホ世代の人たちが飛びつきそうな製品に仕上がっていると思う。残念ながら日本での発売は現時点で未定だが、欧州のいくつかの国ではすでに販売が開始されている。

 同じようなコンセプトの製品が他からも出てくるようなので、2015年のカメラ、レンズ業界もいろいろと楽しめそうだ。

LUMIX CM1 LUMIX CM1、絞り優先AE、1/60、F2.8、ISO160

Copyright© 2016 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.