エプソンは2月26日、「エプソンフォトグランプリ2014」各部門の受賞作品を発表した。
エプソンフォトグランプリ2014はアマチュア向け写真コンテストで、ほかのコンテストに応募したことのない、インクジェットプリンタで印刷した未発表作品が応募対象となる。
選出されたのは「ネイチャー部門」「ヒューマンライフ部門」のグランプリ、「チャレンジ部門」「中学・高校写真部部門」の優秀賞、「ファミリースナップ部門」の大賞など各賞。審査員は田沼武能氏と三好和義氏。
なお、審査員による総評は以下のとおり。
点数は若干減ったようですが、内容は素晴らしいものが集まりました。改めて今年の応募作品全体を見てみますと、若干計算の上で素晴らしい作品を作ってきているな、と思わされる作品が多かったように思います。逆に言うと突然変異のようなびっくりするような作品は少なかった気がします。それは全体のレベルが高く、作品づくりが洗練されてきたあらわれなのでしょう。今回受賞から漏れた作品も受賞作品とのレベルの差はわずかです。被写体への情熱や感動を作者なりに試行錯誤してより伝わるようにした作品が上位に入っていると思います。撮るレベルは申し分ありません。あとは見せる力、見せ方の工夫だと思います。(田沼氏)
今年は、応募作品の中のいい写真、目を奪われるような作品の割合が多かったです。一次審査を通過したそれらの作品が一堂にテーブルに並んだ時の迫力はすごいものがありました。さすがに力作が集まると見応えがありますね。審査会が終わるとどっと体に疲れを覚えます。この見応えって何なんだろう? と考えていたのですが、その根源はプリントのクオリティなんだろうと思います。最終的には個性であるとか、その作家独自の視線を感じられるような作品を選んでいっているわけですが、作品の説得力、力強さは見せるためのプリントの質で決まるように思いました。(三好氏)
受賞作品は以下のとおりで、グランプリ作品をはじめとした各賞の受賞作や審査員から各部門に寄せられた全講評はエプソンフォトグランプリ2014ホームページで確認できる。
また、エプソンでは3月13日〜3月26日の期間、エプソンイメージングギャラリー エプサイトで受賞作品展も開催する。
「撮影場所に流れる時間と空気感を1枚に封じ込めています。またプリントを版画のように仕上げたのもプラスに演出しています。……ストレートに写真の境地に入ってゆくことのできる作品だと思います」(田沼氏)
「格調が高く心に残る一枚。……現代に残る日本の風情、生活のぬくもりを見事に表現しているんじゃないかと思います」(三好氏)
「両手だけでは間に合わず口にまでサケをくわえて立っており、子供の力強さが画面にみなぎっています。……丁寧に物を見る洞察力と一瞬のチャンスを逃さなかった瞬発力が写真に大きな力を与え、『生きているぞ』と見る人を圧倒します」(田沼氏)
「まさに『野生児』という言葉がよく似合うワイルドな少年です。そして少年の動きをより力強くするために画面構成もうまくいっています。……まわりの女の子の表情もいいですね」(三好氏)
「撮る方も撮られる方も作品を作ろうという力みがなく、被写体の二人の間に流れる夫婦愛が表現されています。……全体的にのどかな雰囲気もいいですね」(田沼氏)
「二人の表情がほほえましい……逆光によって奥行き感も出ていますし、秋の和やかな一日が実に安定して撮影されています。……カメラテクニックと被写体が高い次元で融合している作品です」(三好氏)
「受賞作品を使ってさらに作品をつくるアイデアが面白いです。……子供たちがそのアイデアに乗って、誇らしげに写っているところが素晴らしいと思います」(田沼氏)
「幸せな家族を一枚に凝縮していますね。被写体とそれを撮る作者との関係が写真からはっきりと見ることができます。見ていると気持ちが暖かくなるようないい作品です」(三好氏)
「思わず『参りました』と言いたくなるほどよく出来た作品群」(田沼氏)
「全体的にブルーの色調で統一感を持たせたところが良かったです」(三好氏)
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR