さまざまな「写真展」を随時案内していく本コーナー。新宿ニコンサロンで、2015年4月28日から開催予定の山崎弘義写真展「DIARY ―母と庭の肖像―」を案内する。
「今日の母は無表情だった。庭に出てみるとムラサキハナナが一気に咲き始めている。日々の移ろいを感じる瞬間だ。」
認知症の母と庭をほぼ毎日、日記的に撮影した作品である。撮影期間は2001年9月4日から母が亡くなった2004年10月26日までの3年間で、撮影枚数は3,600枚を超えた。
作者の母は、1999年頃から物忘れがひどくなり、徘徊や情緒不安などの問題行動が増えて、一人っ子の作者が母の介護をすることになった。幸い昼間はヘルパーさんに看てもらい、夜と週末は作者と作者の妻が介護した。
母の状態は時として穏やかな笑顔を見せたり、あるいは問題行動を起こしたりで、いつしか作者の名前も忘れがちになったが、そんな母が見せた表情が写真の中にある。
作者は、母を介護するようになってから、不思議と植物たちの息吹が気になるようになった。母を撮影した後に庭の一角を撮影することによって、死に向かう母と四季折々の表情を見せる植物たちの、命の二つの有様を定点観測して浮かび上がらせようとしている。カラー30点。
名称 | 山崎弘義写真展「DIARY ―母と庭の肖像―」 |
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開催期間 | 2015年4月28日(火)〜5月4日(月) |
開館時間 | 10時30分〜18時30分(最終日15時まで) |
定休日 | 会期中無休 |
入場 | 無料 |
会場 | 新宿ニコンサロン |
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