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本格派にも納得の仕上がり これまでの“J”とはちょっと違う「Nikon 1 J5」(2/3 ページ)

» 2015年06月02日 13時50分 公開
[荻窪圭ITmedia]
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より本格的な撮影に対応したJ5

 ボディはJ4より少し大きく重くなったが、その分使い勝手はがらっと変わった。

 J4は撮影モードダイヤルも簡略化されたミニマムな構成で、「オートで撮るのがメイン」向け感バリバリだったが、J5は方針変更でぐっと使いやすいカメラになった。

Nikon 1 J5 正面から。マウントの左下にFnキーが付いたほか、色や質感、グリップの形状など、フラットだったJ4から大きく進化

 見た目もJ4までのミニマムでフラットなデザインから、グリップ部がちょっと飛び出たカメラっぽい形状になり、撮影モードダイヤルにもPASMの各モードが登場。マニュアル撮影も容易だ(J4まではメニューからの操作が必要だったのだ)。

 さらに、電子ダイヤルも上部のダイヤルと背面のロータリーダイヤルの2ダイヤル構成になった。

Nikon 1 J5 上面から。録画ボタンの回りに電子ダイヤルがついたことと、撮影モードダイヤルの内容が豊富になったのが大きな違いだ

 ダイヤルの使い方には納得いかない点もあるが、非常にコンデジっぽくて、ちょっと凝った撮り方しようと思うと途端に操作が煩雑になったJ4に比べると、オートで気軽に撮りたい人もマニュアルでちょっと凝った撮影をしたい人も両方まとめて面倒見てやる的なカメラに進化したのがJ5なのだ。

 もう1つのポイントはモニター。

 従来通りタッチパネル式で、タッチAFやタッチシャッターにも対応。通常は「タッチシャッター」のみで、AFのみを行いたいときはPASMの各モードでAFエリアをマルチではなくシングルにセットしないといけないという罠が待っているけれども、一応タッチAFだけというのも可。被写体追従AFもある。

 AFが速いのでタッチシャッターの使い勝手もいいが、タッチシャッターは指で画面を触って撮る分、手ブレしやすくなるので、タッチAFだけというモードも欲しかった。残念。

 また、フルオート(シーン自動認識オート)にするとフラッシュの発光モードが毎回リセットされて自動発光になる。世の中、発光したくないシーンも多いわけで、これはちょいと難儀した。モードダイヤルに発光禁止オートを用意するか、一度セットした設定は覚えておいてほしいと思う次第。

Nikon 1 J5 標準ズームの10-30mmを付けた状態。電源オフ
Nikon 1 J5 電源オン。フラッシュはオート発光にしておくと自動的にポップアップする。オートモード時は電源を入れるたびに自動発光になるので注意
Nikon 1 J5 背面から。ボディが小さいのでやや窮屈だが、ロータリーダイヤルの回りに4つのボタンを装備。Wi-Fiもボタン1つで起動できる。Android機ならNFCを使った接続も可能だ
Nikon 1 J5 この画面でもタッチパネルで設定を変更可能なのは便利

 なおフルオート時は「OK」ボタンを押すと「ライブコントロール」機能が働き、露出補正やちょっとした絞りの変更、さらに「クリエイティブリング」を使ったデジタルエフェクトもかけられる。これは面白い。ダイヤルを回すと色合いや彩度、さらにワンポイントカラーなどリアルタイムに変化していくのでその場でイメージにあったものを選べるのだ。

Nikon 1 J5 オート時でもOKボタンを押すとライブコントロールが可能。この中に「クリエイティブリング」がある
Nikon 1 J5 クリエイティブリングを使って色合いやコントラストを調整して撮った夕焼け。画面を見ながら気に入ったものを選べるのはよし

 さて背面モニターの話に戻る。背面モニターはJシリーズでははじめてチルト式になった。しかも180度チルトして自撮りにも対応する。

Nikon 1 J5 180度回転するモニター。自撮りにも対応

 最近そういうカメラが増えているが、コストダウンのためヒンジを1つに減らした製品も多い。それだと上にしかチルトしないので、ローアングルや自撮り時はいいが、ハイアングル撮影時に不便なのだ。その点J5は偉い。エントリー向けのモデルながら、2軸構成になってて、ほぼ真下に向けることもできる。

Nikon 1 J5 背面モニターの可動範囲は広い
Nikon 1 J5
Nikon 1 J5
Nikon 1 J5 モニターがここまで下を向くのもなかなかない
Nikon 1 J5 ソファの背もたれにちょこんと座ってたうちの猫を、モニターを逆にシフトさせて真上から撮ってみた。こういう撮り方ができるのは面白い。被写体ブレは勘弁。F3.5、1/60秒、ISO2000

 これはチルト式モニター好きにはうれしい点だ。

 撮影機能はJ4同様、通常の撮影モードに加えて、短い動画付写真を撮る「モーションスナップショット」、連写した中からよく撮れた写真だけを残せる「ベストモーメントキャプチャーモード」(名前が長すぎ!)、デジタルエフェクトやシーンモードがまとめられたクリエイティブモードなどが用意されている。

 ベストモーメントキャプチャーモードは残す写真を自分で選ぶことも、カメラ任せにすることもできて便利だが、このモードでは他に比べて高速連写を行う分シャッタースピードが速く設定される(=ISO感度が上がる)ため、スポーツや動物など動いてるシーンを捉えたいときに使うとよい。

Nikon 1 J5 ベストモーメントキャプチャーは3種類から機能を選べる

 さらにアドバンスト動画モードでは、4K動画(ただし15コマ/秒)、タイムラプス動画、スローモーション、早送り動画なども楽しめる。

Nikon 1 J5 アドバンスト動画モードの設定画面
タイムラプス動画

早送り動画

スローモーション動画

 なお、バッテリーは充電器で充電する方式。そろそろこういうコンパクトなデジタル一眼カメラもUSB充電に対応してもらえるとうれしい。

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