ボディはJ4より少し大きく重くなったが、その分使い勝手はがらっと変わった。
J4は撮影モードダイヤルも簡略化されたミニマムな構成で、「オートで撮るのがメイン」向け感バリバリだったが、J5は方針変更でぐっと使いやすいカメラになった。
見た目もJ4までのミニマムでフラットなデザインから、グリップ部がちょっと飛び出たカメラっぽい形状になり、撮影モードダイヤルにもPASMの各モードが登場。マニュアル撮影も容易だ(J4まではメニューからの操作が必要だったのだ)。
さらに、電子ダイヤルも上部のダイヤルと背面のロータリーダイヤルの2ダイヤル構成になった。
ダイヤルの使い方には納得いかない点もあるが、非常にコンデジっぽくて、ちょっと凝った撮り方しようと思うと途端に操作が煩雑になったJ4に比べると、オートで気軽に撮りたい人もマニュアルでちょっと凝った撮影をしたい人も両方まとめて面倒見てやる的なカメラに進化したのがJ5なのだ。
もう1つのポイントはモニター。
従来通りタッチパネル式で、タッチAFやタッチシャッターにも対応。通常は「タッチシャッター」のみで、AFのみを行いたいときはPASMの各モードでAFエリアをマルチではなくシングルにセットしないといけないという罠が待っているけれども、一応タッチAFだけというのも可。被写体追従AFもある。
AFが速いのでタッチシャッターの使い勝手もいいが、タッチシャッターは指で画面を触って撮る分、手ブレしやすくなるので、タッチAFだけというモードも欲しかった。残念。
また、フルオート(シーン自動認識オート)にするとフラッシュの発光モードが毎回リセットされて自動発光になる。世の中、発光したくないシーンも多いわけで、これはちょいと難儀した。モードダイヤルに発光禁止オートを用意するか、一度セットした設定は覚えておいてほしいと思う次第。
なおフルオート時は「OK」ボタンを押すと「ライブコントロール」機能が働き、露出補正やちょっとした絞りの変更、さらに「クリエイティブリング」を使ったデジタルエフェクトもかけられる。これは面白い。ダイヤルを回すと色合いや彩度、さらにワンポイントカラーなどリアルタイムに変化していくのでその場でイメージにあったものを選べるのだ。
さて背面モニターの話に戻る。背面モニターはJシリーズでははじめてチルト式になった。しかも180度チルトして自撮りにも対応する。
最近そういうカメラが増えているが、コストダウンのためヒンジを1つに減らした製品も多い。それだと上にしかチルトしないので、ローアングルや自撮り時はいいが、ハイアングル撮影時に不便なのだ。その点J5は偉い。エントリー向けのモデルながら、2軸構成になってて、ほぼ真下に向けることもできる。
これはチルト式モニター好きにはうれしい点だ。
撮影機能はJ4同様、通常の撮影モードに加えて、短い動画付写真を撮る「モーションスナップショット」、連写した中からよく撮れた写真だけを残せる「ベストモーメントキャプチャーモード」(名前が長すぎ!)、デジタルエフェクトやシーンモードがまとめられたクリエイティブモードなどが用意されている。
ベストモーメントキャプチャーモードは残す写真を自分で選ぶことも、カメラ任せにすることもできて便利だが、このモードでは他に比べて高速連写を行う分シャッタースピードが速く設定される(=ISO感度が上がる)ため、スポーツや動物など動いてるシーンを捉えたいときに使うとよい。
さらにアドバンスト動画モードでは、4K動画(ただし15コマ/秒)、タイムラプス動画、スローモーション、早送り動画なども楽しめる。
なお、バッテリーは充電器で充電する方式。そろそろこういうコンパクトなデジタル一眼カメラもUSB充電に対応してもらえるとうれしい。
メディアは従来同様microSDカードを採用している。
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