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» 2015年06月26日 07時00分 UPDATE

約5060万画素とローパスキャンセルの圧倒的な解像感――キヤノン「EOS 5Ds R」 (1/2)

EOS史上最高の解像度である、有効約5060万画素のCMOSセンサーと、キヤノンのデジタルカメラとしては初めてローパスフィルターをキャンセルする機能を備えた「EOS 5Ds R」。その解像感は気軽に使えるものなのか。

[三井公一,ITmedia]

 ついに発売されたキヤノンの「EOS 5Ds R」。初春のCP+ 2015で兄弟機「EOS 5Ds」とともに大きな話題となった、有効約5060万画素のCMOSセンサーを搭載したモンスターデジタル一眼レフカメラだ。このEOS 5Ds Rは、ローパスフィルターの効果をキャンセルしたモデル。EOS 5Ds RとEOS 5Dsは、高画素機のパイオニア、ニコン「D800E」と「D800」のような関係となっている。5Ds Rのスペックなどは他記事に譲るとして、高画素機では長らく後塵を拝してきたキヤノンが満を持してリリースしたモデル、EOS 5Ds Rは果たして気軽に使えるのかインプレッションをお届けする。

EOS 5Ds R EOS 5Ds R

 高画素機というと、どうしても難しい印象がつきまとう。まず第一に「手ブレにシビア」で、次に「ピントがシビア」、そして「高感度に弱い」「レンズを選ぶ」といった具合だ。たしかにどれも高画素になればなるほど影響が出てくるものだが、EOS 5Ds Rを使った感想はそれほどでもない印象を受けた。キヤノンらしく実に洗練され使いやすくなっているのだ。日常的にフルサイズのデジタル一眼レフカメラを使用している人ならば、多くの人が“5000万画素オーバー”の世界を楽しむことができそう、という感じである。特に前述のニコンD800EやD800、「D810」、ソニー「α7R」、シグマ「SD1 Merrill」「SD1」などの高画素機を使い込んでいるフォトグラファーはすんなりと入っていけるだろう。

 使用感はキヤノンの「EOS 5D Mark lll」とほぼ同様だ。ボディの外観は一部変更されているが、操作系などもほぼ同じなので、今まで5Dシリーズを使ってきたフォトグラファーなら問題なく使えるはずだ。なので特筆すべき事項はない(笑)。個人的には心地よくなったシャッター音が嬉しかった。

 今回は「EF11-24mm F4L USM」「EF24-70mm F4L IS USM」「EF35mm F1.4L USM」の3本の交換レンズを試したが、当然だがどれも違和感なく使用できた。ただEOS 5Ds Rの高解像度をフルに味わうには、やはり設計の新しい近年のレンズを使うのが望ましいと感じた。

 世界最広角ズームのEF11-24mm F4L USMはEOS 5Ds Rとマッチングが素晴らしく、絞り開放でも画面の中央部はもちろん、隅々までクリアで満足のいく写りであった。このカメラを買うならば、このレンズもセットで!と思ってしまうほどの描写である。

 EF24-70mm F4L IS USMは、非常に穏やかな描写ながら、チョイ絞りでレンズの旨みを出して、EOS 5Ds Rでも安心して使えた。一方、EF35mm F1.4L USMは絞り開放ではかなりソフトな描写になった。チョイ絞りでもやや柔らかめなので、キリッとシャープな像を得たいのであれば、やはり新しいEFレンズ群からチョイスするか、シグマのアートラインなどからレンズを選びたいと感じる。

 この記事のカットは全て手持ちでシャッターを切った。手ブレをなるべく防ぐべく、できるかぎり高速シャッターを選ぶようにした。自分の「手ブレ限界」を知っていれば、それを上回るようにシャッター速度を設定すればいい。これは使用レンズ(焦点距離、手ブレ補正機能の有無)や環境(風の有無や足場の状態など)によって変わってくるので、自分のパターンをつかんでおくと有効だ。もちろんじっくりと三脚を据えて撮れる状況ならば、三脚を使用するのが安全だ。ただしその三脚もしっかりとしたプロユースのものに限る。

 と考えると一番重要なのはピントだろうか。風景はある程度絞って撮影するケースが多いのでさほど問題ないが、今回のモデル撮影の場合などはシビアになってくる。屋外で動きながらの撮影では特にだ。モデル撮影はカメラに向かって手前の目にピントを合わせるのが基本だが、EOS 5Ds Rの場合は「目」ではなく「瞳」に合わせるのはもちろん、瞳のどの部分に合わせるか、まで要求される。幸い「61点高密度レティクルAF」が優秀なので、クローズアップ時以外はカメラに任せてしまっても安心だ。

 さて気になる高感度はどうだろうか。やはり5000万画素オーバーの高画素機なので高感度はあまり得意ではない。ISO400からノイズが増大し、被写体や使用用途によっても変わってくるが、ISO1600くらいまでが限界だろうか。

EOS 5Ds R 絞り優先オート(F8、1/500秒)、ISO100、WB:太陽光、レンズ:EF11-24mm F4L USM、焦点距離:11mm

 世界最広角ズームで青空と緑、池を広々と。画面の隅々まで精細感溢れる写りだ。発色も見た目に近くナチュラルである。

EOS 5Ds R 絞り優先オート(F5.6、1/80秒)、ISO100、レンズ:EF11-24mm F4L USM、焦点距離:11mm

 11ミリでJR京都駅を撮影。このワイドズームとEOS 5Ds Rの組み合わせは素晴らしい。建物を構成するさまざまなものがリアルに写し撮られている。

EOS 5Ds R シャッター速度優先オート(F4.5、1/125秒)、ISO200、レンズ:EF11-24mm F4L USM、焦点距離:11mm

 手ブレに気を付けさえすれば、普通の「5Dシリーズ」として問題なく使うことができる。どんどんシャッターを切ってみよう。

EOS 5Ds R 絞り優先オート(F1.4、1/60秒)、ISO100、−2EV、レンズ:EF35mm F1.4L USM

 設計の古いレンズは場合によってソフトな描写となる。いい味を醸し出す場合もあるが、このEOS 5Ds Rに合ったシャープさを得たいならば最新のレンズを使いたい。

EOS 5Ds R 絞り優先オート(F1.4、1/2500秒)、ISO100、+0.33EV、レンズ:EF35mm F1.4L USM

 絞り開放でソフトな感じでモデルを撮影。柔らかい感じと飛ばした背景がいい雰囲気となった。瞳に慎重にフォーカスしてシャッターを切った。

(モデル:伊藤千晶/オスカープロモーション)

(編注:本記事では一般的な撮影状態での利用を念頭に置いているため、人物撮影にレフ版などは利用しておりません)

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