さまざまな「写真展」を随時案内していく本コーナー。オリンパスプラザ東京で2015年8月7日から開催予定の郡川正次 写真展 「対岸/東京湾を挟んで」を案内する。
晴れて空気が澄んだ日に東京湾沿いの海岸に立つと対岸が良く見える。特に湾が狭まった浦賀水道付近では房総半島の鋸山や久里浜の火力発電所などの特徴的なランドマークが意外なほどはっきりと見ることができる。この湾岸地域は私にとってはたびたび訪れて見知っていた所だったし、何度か撮影もしていた場所だ。ところがこうして海を隔てて対岸を眺めてみるとなぜか未知の土地に初めて足を踏み入れる時のような胸の高鳴りを覚える。
私はしばらくぶりに東京湾沿いに連なる町を歩いてみようと思った。そこでの新たな出会いと、うっかり見過してしまうかもしれない出来事を記憶にとどめておくために写真を撮り、そこから見えてくるものが何であるのかをあらためて確認してみたくなった。
このシリーズで2年間にわたって撮影したのは東京湾沿いに千葉県の北から千葉市、市原市、袖ケ浦市、木更津市、君津市、富津市、鋸南町。神奈川県では川崎市、横浜市、横須賀市、三浦市の各市で、その中でも海岸線からあまり離れていない場所が中心になった。この地域はコンビナート地帯から房総の漁港にかけての少し寂しい感じがする千葉県側と、人口も多くてにぎやかな街並みが続く神奈川県側とで好対照を見せている。私はこの地域を歩くうちに時の流れを踏み外してしまったかのような古い街と人気の少ない海辺になぜか足が向いてしまっていた。そこには初めての出会いなのに以前に見たことがあるような、まるで記憶の深い淵を覗き込んだかのような風景が待ち受けていた。
名称 | 郡川正次 写真展 「対岸/東京湾を挟んで」 |
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開催期間 | 2015年8月7日(金)〜2015年8月12日(水) |
開館時間 | 11時〜19時(最終日15時終了) |
定休日 | 木曜 |
入場 | 無料 |
会場 | オリンパスプラザ東京 |
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