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» 2015年12月09日 14時30分 UPDATE

交換レンズ百景:5万円超えのテレコンの真価はいかほどか――富士フイルム「XF1.4X TC WR」

富士フイルムのXマウントレンズラインアップには、いずれも評価が高い高性能なものがそろっているが、現状は望遠側のレンズがやや手薄。そこを補えるのが、1.4倍テレコンバーターの「XF1.4X TC WR」だ。

[三井公一,ITmedia]

 富士フイルムから、Xマウントユーザー待望のテレコンバーター「XF1.4X TC WR」が登場した。この製品はマスターレンズの焦点距離を1.4倍にし、望遠域での撮影をより快適にするものだ。テレ側が手薄なXマウントにとって、これは心強いアイテムになりそうである。

XF1.4X TC WR 「XF50-140mmF2.8 R LM OIS WR」にテレコンバーター「XF1.4X TC WR」を装着。ボディは「FUJIFILM X-T1」

 素晴らしい製品をラインアップする富士フイルムのXマウントレンズ。明るくキレのある単焦点レンズや望遠ズーム「XF50-140mmF2.8 R LM OIS WR」は評価が高い。しかしながらシリーズ的に望遠側が手薄なのは否めないところ。ようやく登場したこのテレコンバーター「XF1.4X TC WR」は、ユーザーなら是非とも入手したいものだ。

 現在のところマスターレンズはXF50-140mmF2.8 R LM OIS WR 1本に限られるが、これに装着すると焦点距離70ミリ〜196ミリ(35ミリ判換算で107ミリ〜299ミリ相当)、開放F値は4となる。テレ側は300ミリF4だと思えばいいだろう。

 「WR」のネーミングが示すとおり、防じん防滴耐低温構造となっており、装着時にガタもほとんど見られず安心して振り回せる仕様となっている。造りもしっかりとしたもので、今後より長いマスターレンズが登場しても問題なさそうな印象を受けた。

 写りも良好だ。開放F値が一段暗くなるが、描写、AFスピードともにマスターレンズの性能を損なわず、開放から十分に使っていける画質になっていると感じた。カメラバッグにこのXF1.4X TC WRを忍ばせておけば、より被写体を大きく捉えたい場面で活躍してくれるに違いない。

XF1.4X TC WR マニュアル(F4、1/14000秒)、ISO800、ホワイトバランス:オート

 XF1.4X TC WRはマスターレンズの性能を損なわない。噴水の清冽なほとばしりも、見た目の印象のままに捉えてくれた。

XF1.4X TC WR 絞り優先オート(F4.5、1/320秒)、ISO200、ホワイトバランス:オート、露出補正:+.0.33EV

 1.4倍のテレコンバーターなので、装着時にシステム全体のバランスもさほど変わらず、見上げての撮影などでも取り回しがしやすい。街灯の左側面にピンポイントでフォーカスしてシャッターを切った。

XF1.4X TC WR 絞り優先オート(F4、1/240秒)、ISO200、ホワイトバランス:オート、露出補正:-1.33EV

 「ああ、ここでもうちょっと望遠側が……」と思うシーンは意外と多いものだ。そんな時、XF1.4X TC WRがあればグッと被写体を引き寄せて撮影できる。マスターレンズのヌケの良さはそのままにイメージ通りに撮れたワンシーン。

XF1.4X TC WR シャッター優先オート(F4.5、1/2000秒)、ISO1600、WB:オート、露出補正:-0.33EV

 オートフォーカスの動作スピードもなかなかのものだ。コーナーキックを蹴るプレーヤーの軸足にしっかりとピンが来た。AFエリアの選択をうまく使って、思い通りのカットを狙うといいだろう。

XF1.4X TC WR 絞り優先オート(F4、1/850秒)、ISO200、ホワイトバランス:オート、露出補正:-0.67EV

 XF1.4X TC WRは質感も高く、装着時でもガタを感じないのがいい。振り回しても安心感があった。防じん防滴耐低温構造なので、ネイチャーやスポーツなど過酷なシチュエーションでも撮影に集中できるのが嬉しい。

XF1.4X TC WR 絞り優先オート(F4、1/950秒)、ISO200、ホワイトバランス:オート、露出補正:+0.33EV

 今のところマスターレンズはXF50-140mmF2.8 R LM OIS WRと限られるが、今後対応レンズが増えることに期待したい。撮影領域をグンと拡大できるので、このレンズのオーナーにとってマストアイテムとなるだろう。

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