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» 2016年02月03日 10時00分 UPDATE

カメラファンを魅了する、質感の高いPEN――オリンパス「PEN-F」 (1/3)

半世紀前に誕生した世界初のハーフサイズ一眼レフの名を継承したPENシリーズの最高峰。シリーズ初搭載のファインダーが、往年のカメラ好きの心を震わせるメカっぽいデザインや操作系にマッチして心地よい。

[荻窪圭,ITmedia]
PEN-F オリンパス「PEN-F」。レンズはレンズキットの「M.ZUIKO DIGITAL ED 12mm F2.0」。さらにオプションのグリップを装着してある

 オリンパスはOM-Dシリーズにばかり力を入れて、もうPENシリーズはエントリー向けだけにしちゃうんじゃないかとご心配されていた皆さま、あるいは、オリンパスのミラーレス一眼は良さそうだけど一眼レフっぽいOM-Dのデザインは苦手だなと思っていた皆さま、お待たせいたしました、という感じで登場したのがPENシリーズの最高峰、「PEN-F」である。

PEN-F 「PEN-F」の刻印は上面に

 往年のカメラ好きなら知っている、1963年発売の「オリンパス ペンF」。そのネーミングをデジタルカメラに持ってきたのだ。でも半世紀も昔のことは知らなくてもOK。PEN-Fはメカっぽいデザインと操作系を備えた、個人的な感覚ではPEN史上一番カッコいいモデルであり、往年のカメラくさいメカっぽい外観に最新の技術を詰めこんだミラーレス一眼であり、ぱっと現物を見て「あ、これはしっかり作ってあって触りたくなる」と思えばそれでよいのである。

 特に注目すべきは、

  • PENシリーズ初のファインダー搭載
  • オリンパス初の2030万画素センサー搭載
  • 新提案のクリエイティブダイヤルだけど撮るとき使う?

 の3つかと思う。その3つを中心に見ていきたい。

ファインダーをのぞいて撮りたくなる新デザイン

 やはり最初に注目すべきはファインダーだ。PEN-FはPENシリーズの中で最もダイヤルが多く、昔ながらのカメラの操作系になっている。となると、ファインダーをのぞいたまま指でカチカチと操作するのが一番気持ちよい。

PEN-F 上面から。露出補正ダイヤル、3つの電子ダイヤル、モードダイヤル、そして電源スイッチ

 露出補正ダイヤルを新設。さらに前後の電子ダイヤル。一つを絞り(あるいはシャッタースピード)にセットしても一つ空くので、そこにISO感度やWBを割り当てられる。これはよい。ダイヤルは右手人差し指と親指で。

PEN-F ファインダーは左上にあり、右目でのぞくと操作部が窮屈じゃなくてよい。モニターは閉じてある
PEN-F カスタマイズ範囲は豊富。うまく組み合わせれば使い勝手はぐんとよくなる
PEN-F 露出補正ダイヤルが用意されたことで、電子ダイヤルのカスタマイズの幅も広がった。

 背面のタッチパネル付モニターは「AFターゲットパッド」対応。これをオンにすればファインダーをのぞいたまま、モニターを親指でなぞってAFポイントを動かせる。

PEN-F AFターゲットパッドをオンにすると、AFターゲットを指で動かせる。もちろんモニターが裏返ってたらダメです

 いざ使ってみると、PEN-FがEVFを内蔵したのは正解だった。

PEN-F ファインダーをのぞいているの図。ファインダーは左上の端にあるのでレンジファインダーカメラ的スタイルとなる

 EVF自体の大きさやクオリティはOM-Dのハイエンド機「OLYMPUS OM-D E-M1」にはちょっと及ばない。でもその分コンパクトで、PENシリーズの名に恥じないサイズに収まっている。背面モニターは可動式。「OM-D E-M5 Mark II」と同様にバリアングルとなった。可動範囲が広いバリアングル式と、上下にしか動かないがシンプルなチルト式のどちらがよいかは言及しない。

PEN-F ローアングルで狙いたいときはファインダーを開いて回す

 バリアングルのため、180度回せば自分撮りも可能だ。モニターを回して顔を検出すると自撮りモードになり、タッチパネルでシャッターや美肌、セルフタイマーをすぐ扱えるのはよいアイデアだ。

PEN-F 自撮りモード時の画面。モニター下に美肌(Eポートレート)、シャッター、セルフタイマーボタンが並ぶ
PEN-F iAUTOで自撮り。Eポートレートはオン。iAUTO(F7.1、1/200秒)、ISO200、焦点距離:24ミリ相当

 シャッターは中央にケーブルレリーズ用のネジ穴が切ってある。レトロ趣味に見えるかもしれないが、デジタルの時代でもケーブルレリーズは確実に装着できて、さまざまな長さのものが出ており、実用性は高い。

PEN-F ケーブルレリーズが使えるのは実は便利

 フラッシュは外付けのみ。付属の小型フラッシュは発光部が稼働するため、バウンス発光にも対応する。光量は大きくないので(GN=9.1)汎用性はそこまで高くないがかなり便利だ。

PEN-F 付属の外付けフラッシュは照射角を自在に変えられ、バウンス撮影もできる
PEN-F 暗めの室内で天井にバウンス発光させて猫を撮ってみた。一般家庭の室内レベルなら十分使える。絞り優先AE(F1.8、1/60秒)、ISO800、焦点距離:90ミリ相当

2030万画素のセンサーでハイレゾショット付き

 イメージセンサーも新しくなった。ここ数年、ずっと約1600万画素のままだったが、パナソニックの「LUMIX DMC-GX8」に続いて、2030万画素のセンサーを搭載。少し画素数が上がった。ボディ内手ブレ補正は5軸で相変わらずよく効く。

PEN-F 正面から。マイクロフォーサーズサイズのセンサーはとうとう2030万画素に。

 撮影機能は非常に豊富。豊富すぎるほど。OM-D E-M5 Mark IIで採用されたハイレゾショットももちろん入っている。これは特筆すべきなので使って見るべし。ハイレゾショットは元の画素数が上がった分、さらに解像感が上がった。手ブレ補正機構を利用し、ほんのちょっとだけセンサーを動かしながら8枚連写し、合成することで高解像度な画像を得るのだが、上手くいくとスゴいのだ。5000万画素相当ならではのディテールまでしっかり捉えた絵を見せてくれる。次の図は通常の撮影とハイレゾショットを等倍表示して見比べたもの。れんがのひとつひとつがハイレゾショットだときっちり解像している。これはすごい。

PEN-F 撮影メニューにハイレゾショットなどが用意されている
PEN-F 左は通常の2000万画素、右がハイレゾショットで撮った5000万画素相当
PEN-F 通常撮影。絞り優先AE(F5.6、1/640秒)、ISO200、焦点距離:52ミリ相当、+1EV
PEN-F ハイレゾショット。絞り優先AE(F8、1/320秒)、ISO200、焦点距離:52ミリ相当、+1EV

 ただし、ホンのわずかなブレも許されないので、撮影にはがっしりした三脚が必須だ。また風の影響を受ける被写体もよくない。室内での撮影や建物向きだ。シャッタースピードは最高で1/8000秒とさすがハイエンド機のメカシャッター。さらに静音モードにすると電子シャッターに切り替わり、最高1/16000秒となる。また、低振動モード(電子先幕シャッター)は1/320秒までだ。静音モードは本当に静かで恐ろしいほど。普段は低振動モードと静音モードの使い分けでよさそう。

PEN-F メカシャッター、低振動モード(ダイヤ)、静音モード(ハート)、さらに連写にもメカシャッターと低振動や静音モードバージョンが用意されている

 連写は最高10コマ/秒となかなか早い。ISO感度は最高ISO25600と変わらず。高感度時の画像は従来の1600万画素センサー機と同等だが越えてはいない。

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