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大型センサー搭載ながらコンパクト、かっこよくて使いやすい「FUJIFILM X70」(2/3 ページ)

» 2016年03月09日 06時00分 公開
[荻窪圭ITmedia]
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小さいながらも写りのクオリティの高さはAPS-Cならでは

 画質面では1600万画素のX-Trans CMOS IIセンサーを搭載する点がポイント。要するに、X100Tやミラーレス一眼「FUJIFILM X-T10」などと同じだ。

 さすがにレンズが薄くて小さい分、X100Tに比べると不利ではあるし、逆光時にゴーストが入ったりするが、このサイズのカメラでこれだけ撮れれば十分。詳細は作例で。

 絞り値はF2.8〜F16で1/3段ずつ変えられる。シャッタースピードはメカシャッターで最高1/4000秒。ただし、F2.8では最高1/1000秒止まり。その代わり、電子シャッターを併用できる。自動切り替えモードだと、メカシャッターでいけるところまでいき、自動的に電子シャッターに切り替わって1/32000秒まで上がる。ただし電子シャッター併用時はISO感度に制限が出て、拡張ISO感度を使えなくなる。

FUJIFILM X70 シャッター方式は3種類から選べる

 この辺は若干ややこしいのだがしょうがない。

 ISO感度は200から6400。拡張ISO感度としてISO100と、ISO12800〜51200が使えるようになるが、まあISO51200まで上げるとかなりノイジーで実用的とは言い難い。できるだけISO6400までに抑えたいところだ。

FUJIFILM X70 ISO感度設定。各ISO感度に加え、3種類のオートを使い分けられる(最高ISO感度や目安となるシャッタースピードをセットできる)

 シャッター方式の切り替えは適当なボタンに割り振ってやるのがいいかと思う。

 富士フイルムのカメラはダイナミックレンジ拡張機能を持ってて、ハイライト方面に1段(200%)か2段(400%)分ダイナミックレンジを広げられるのだが、その分ISO感度が上がる。晴天下の明暗差の大きな構図で絞り開放で撮ると、どうしてもシャッタースピードが速くなる。電子シャッターの出番が来やすいのだ。

FUJIFILM X70 晴天下で絞り開放でDR200%で撮影したのでISO400になり1/3500秒まで上がってしまった。自動的に電子シャッターになるので便利

 連写は最高で約8コマ/秒。

 撮影最短距離は約10cmから。AFは像面位相差とコントラストAFの併用でけっこう快適である。顔キレイナビをオンにすると顔に露出も合わせてくれるし瞳にAFを合わせてくれる瞳AFも使える。

FUJIFILM X70 顔キレイナビと瞳AFはオートフォーカス設定の中にあるが、適当なキーへ割り当てた方が便利に使える
FUJIFILM X70 瞳AF発動の瞬間。AUTOでは逆光人物+風景と判断された
FUJIFILM X70 顔キレイナビ・オフ。普通逆光で撮るとこうなる。
FUJIFILM X70 顔キレイナビ・オン。逆光だが不自然になりすぎない程度に顔に露出を合わせてくれるので人を撮るときは便利

 この辺はさすがだが、顔キレイナビをオンにしていると測光モードを変更できなくなるのでこれも適当なキーに割り当てて簡単にオンオフできるようにしておくとよいかと思う。

FUJIFILM X70 ファンクションキーの設定はけっこう多彩だ

 まあ総じて、スナップ機としては極めて快適であり、携帯性と画質と使い勝手の3つを全部求めるという贅沢なことをいうのであれば、X70はすごくバランスがいい。28mm単焦点とはいえ、手ブレ補正は欲しかったかなという気はするけど(どうしてもラフに撮っちゃいがちだから)、趣味のカメラとしてはこれでOKな気はする。

 X100Tは35mm相当F2なのに対しX70は28mm相当F2.8。28mmのX100系が欲しいとか、35mmのX70系が欲しいとかまあいろいろあるだろうが、それぞれのレンズに似合うバランスだ。

 ついでにいえばこのカメラくさいデザインも昔からのカメラファン向けかと思いきや、モデルをしてくれた20歳の学生さんも珍しく、このデザインと大きさなら欲しいと自ら言い出したくらいであり、広い世代に受けるのかもしれないなあと思う次第である。

 マニュアル撮影が楽しい広角系スナップ機が欲しい人におすすめだ。

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